ニュース
ニュージーランドと日本の中学生がオンライン交流
アニメ、すしなど文化に共感
参加生徒「英語もっと学びたくなった」
千葉・山武市
渡航できなくてもオンラインで海外の子どもと交流し、相互理解を深めようと、千葉県山武市はこのほど、市内の中学校に通う生徒を対象に、ニュージーランド・オークランド市にあるパクランガ中学校とのオンライン交流会を3日間(1日2時間ずつ)の日程で実施した。山武市から4人、パクランガ中学校から27人の生徒が参加。活発な質問などを通して交流を図った。
交流会の初日は、自己紹介で趣味を共有し合った。
山武市の中学生が「日本のアニメやマンガは何が好き?」「おすしは食べるの?」などと、ざっくばらんに質問。これに対し、ニュージーランドの中学生は、日本でも人気アニメである「ONE PIECE(ワンピース)」や「ドラゴンボール」を挙げる生徒が多く、おすしは「サーモンが好き」「ツナが好き」と笑顔と一緒に回答が返ってきた。
また、日本の生徒は習字を、ニュージーランドの生徒は民族舞踊「ハカ」をそれぞれ実演し、お互いの国の文化を学び合った。習字を見たニュージーランドの生徒は「アートみたいですごくきれい」「写真に残したい」などと感想を語り、日本の文化に興味を示す場面があった。
2日目はお互いの国の季節ごとの過ごし方や、家庭での食事や家の中の様子などを紹介。山武市側は日本の文化をより伝えやすいよう、市の歴史民俗資料館で開催し、映像や写真を用いながら分かりやすく発信した。
オンラインでつながっているニュージーランドの中学生に剣道を紹介する山武市の中学生
最終日は、学校生活がテーマに。山武市の生徒は、市立山武望洋中学校を会場に、自身が所属している剣道部の紹介で竹刀で素振りを実演したり、1日の学校生活のスケジュールを発表したりアピールした。一方、ニュージーランドの生徒は、ラグビーやクリケットなど複数の競技を楽しんでいる様子を報告した。
今回のオンライン交流会に参加した山武市の男子中学生は「最初は緊張して思うように英語が話せなかったけど、海外の生徒と交流できて英語をもっと学びたいと思った」と感想を語った。また女子中学生は「海外の生徒も日本のアニメが好きということを知り共感できたのがうれしかった」と声を寄せた。
パクランガ中学校との交流は、山武市が10年以上前から少年海外派遣事業として現地へ生徒を派遣してきた経緯がある。しかし、コロナ禍のため渡航が難しくなり中断。今回、オンラインでニュージーランドと山武市を結び、3年ぶりに交流が実現した。
オンライン交流会は、公明党の長谷部竜作市議が一貫して推進。2018年9月定例会で、海外派遣事業では参加人数が限られることから、「ビデオ電話機能などを使えば幅広い子どもが海外交流をすることができる」と提案。またICT(情報通信技術)教育の環境整備も積極的に進めてきた。