ニュース
新旧組み合わせ自由に
来春からの中学校制服スタイル
お下がり 活用しやすく
愛知・日進市
愛知県日進市は来年度、中学校の制服にブレザースタイルを追加する。「上はブレザー、下は従来のズボンかスカート」など新旧の組み合わせOK。これは県内初の試み。お下がりを活用しやすくなり、保護者にとって朗報だ。「各家庭の負担を減らしたい」と願う公明市議の提案がきっかけとなった。
ブレザー追加に合わせて変更
新しい制服を試着した平松美紅さん(左から2人目)と母の里美さん(右隣)に感想を聞く川嶋市議(左端)
ブレザーの制服は、防寒やジェンダーに配慮して導入する一方、現行の詰め襟とセーラー服のお下がりとの組み合わせを考慮し、色をチャコールグレー(濃い灰色)にした。これにより、上は①詰め襟②セーラー服③ブレザー――の3種類、下は①学生服ズボン②セーラー服スカート③ブレザーズボン④ブレザースカート――の4種類に。上下をどう組み合わせても良い。
新しい制服の導入は生徒の要望を反映。市は、各校の生徒会と校長、教員、PTAの意見を踏まえ、今年5月に決定した。
制服を巡り、保護者が気掛かりな点は、購入する場合の経済的負担だ。各中学校のPTAは、制服の譲渡会を毎年開催するが、どの学校も在庫がなくなるほど人気がある。
市内の平井裕美さんは、昨年末、子どもの制服の買い換えが負担になると感じていた一人。現在中学3年生の長女は入学時から身長が15センチ伸び、制服が合わなくなった。セーラー服の夏服は上下セットで約2万円するが、着るのがひと夏になるため購入に迷った。結局、平井さんは友人の友人からお下がりをもらい、夏服を買わずに済んだ。
公明議員が提案、経済的負担に配慮
この話を平井さんから聞いていた公明党の川嶋恵美市議は、来年春から中学校に新制服が導入されることを知り、各家庭に制服購入の負担が重くのしかかることを懸念。今年4月、「お下がりを使用できるようにするなど、経済的負担を軽減すべき」と、岩田憲二教育長に要望した。
同5月、市の第1回制服検討委員会でブレザー導入が正式に決まった際、同時に現行制服のお下がり使用を可能とし、新旧制服の組み合わせも無期限で認めることとした。岩田教育長は「川嶋議員の提案が、組み合わせを自由にするヒントになった。ありがたい」と述べている。
来春に備え、ブレザーを試着した中学2年生の平松美紅さんは「上はブレザー、下はセーラー服スカートにしてみたい」とうれしそう。試着の様子を見守った母親の里美さんは「下に長男と次女がいるので、男女兼用のブレザーをお下がりとして使えるのは経済的に助かる」と喜んでいた。