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2022年9月10日

コラム「北斗七星」

どれほど、苦しかったか。どれほど、生きてお父さん、お母さんと会いたかったことだろう。それにしても、守るべき大人たちは、いったい何をしていたのか……。怒りでキーボードを打つ手が震える。静岡で3歳の女の子が猛暑の中、通園バスに置き去りにされ、命を奪われた◆亡くなった河本千奈ちゃんは、バス通園が楽しみだったと聞く。なぜ“安全なはず”のバスの中で繰り返し、小さな命が失われるのか。東日本大震災の時、通園バスの中で犠牲となった子どもたちが頭に浮かんだ◆激しくバスが揺れ、怖がる友だちを励ましたのは宮城県石巻市の佐藤愛梨ちゃん(当時6歳)。運転手は逃げ、車中の園児5人が津波と火災で命を落とした。亡きがらは、助け合うように折り重なっていたという◆避難マニュアルがなく、園庭にとどまり続けたバスの中で同県亘理町の髙橋ひな乃ちゃん(当時5歳)は津波の犠牲となった。通っていた幼稚園は震災後、マニュアルを作成。毎月1回以上、避難訓練をしている◆「二どと、かなしいことがおこらないようにして」「おとなも、ぼうさいのおやくそくは守ってね」。こんな声が聞こえた気がする。あす東日本大震災から11年6カ月。(川)

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