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2022年9月9日

将来の妊娠を考えて健康管理

プレコンセプションケア 
若い女性やカップルに知識伝え人生設計 
生活見直し、リスク低下へ

若い女性やカップルに対し、妊娠・出産に関する知識などを伝え、健康意識を高めてもらう「プレコンセプション(妊娠前)ケア」の取り組みを政府や自治体が始めている。コンセプションは英語で「受胎・妊娠」の意味。妊娠する前(プレ)からの若い世代の健康管理を促し、望む人には将来の妊娠へ備える情報を伝え、人生設計に役立ててもらうのが狙い。公明党も推進する施策だ。

セミナーで啓発
埼玉・鴻巣市

プレコンセプションケアを踏まえた健康づくりなどの知識を伝える妊活セミナー=8月28日 埼玉・鴻巣市

「妊活は男女ふたり一緒に。まずは自分の体を知ることから始めよう」

先月28日、埼玉県鴻巣市が主催する、妊娠を希望する人向けの“妊活セミナー”には男女10人が参加した。同市と地域づくりの包括連携協定を結んでいるロート製薬株式会社が、この分野で知見のある社員を講師として派遣した。

セミナーではプレコンセプションケアを踏まえ、妊娠の仕組みなどを解説。妊娠には、受精しやすい時期を知ることや、バランスの良い食生活や適度な運動など日々の生活習慣が大切であることが説明された。参加者からは「すぐに生活を見直したい」などの感想が寄せられたという。

市健康づくり課は「セミナーの内容は妊娠を考えている人の健康づくりに役立つ」と話す。市は今後、同社の協力を得て、同ケアを踏まえた高校生向けのライフデザイン(人生設計)セミナーも検討する。

WHOなど世界的に推奨

妊娠・出産に影響がある体の状態・病気の例

妊娠・出産には、さまざまなリスクがある。例えば、晩婚化が進む中、30代後半以降の高年齢になるほど不妊や流産の割合は上昇するとされる。体の状態や病気、生活習慣も、妊娠中の合併症や出生児に大きく影響を及ぼし、妊娠が判明してからでは対応が難しくなる場合も多い。

あくまでも、妊娠を希望するかは個人の自由だが、プレコンセプションケアにより早い段階から適切な知識を得て、健康で質の高い生活を送ることは、人生の選択肢を広げ、妊娠・出産時や次世代の子どものリスクを下げることにつながる。

こうした重要性から、2006年に米国の疾病対策センター(CDC)が、12年には世界保健機関(WHO)が相次いで同ケアを推奨。日本も21年2月に閣議決定された「成育医療等基本方針」で、同ケアを「女性やカップルを対象として将来の妊娠のための健康管理を促す取り組み」と定義し、対策が動き出している。

厚労省は相談センター事業

厚生労働省は今年度から、同ケアも含めた施策として「性と健康の相談センター事業」を開始。都道府県などが学校で性教育などを行う医師らを支援したり、性の問題で悩む思春期の子どもが産科を受診するのをサポートできるようにしている。

国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)でプレコンセプションケアセンターの責任者を務める荒田尚子診療部長(母性内科)は「日本は妊産婦や新生児の死亡率が諸外国と比べ低いが、晩婚化や肥満・やせの増加、子宮頸がんの検診率の低迷など、課題は多い。同ケアを母子保健だけでなく、教育や医療など幅広い分野で進めることが重要だ」と指摘する。

風疹抗体、卵巣予備能など…検査費助成の自治体も

プレコンセプションケアとして、希望者に検査費用を独自で助成する自治体もある。茨城県笠間市は同ケアの検診事業を市立施設「地域医療センターかさま」で19年10月から実施。市内在住の女性らが対象で、葉酸・鉄分を含む栄養状態や風疹の抗体の有無を調べる血液検査に加え、医師の診察などが受けられる。保険適用外で通常で2万1000円かかる自己負担が助成により5000円で済む。

市健康医療政策課は「検診をきっかけに、食育教室への参加や、がん検診の受診をする人もいる」と手応えを語る。

福岡市も21年7月から、卵巣に残っている卵子の目安(卵巣予備能)を知るために抗ミュラー管ホルモン(AMH)を調べる血液検査費用の一部助成する。検査は登録された45医療機関で行い、結果を踏まえ、医師が健康管理をアドバイスする。対象は市内在住の30歳女性で、自己負担は500円。21年度は約1500人が利用し、「自分の体の状態がよく分かった」との反響があった。

公明 国会、地方議員が推進

プレコンセプションケアについて、公明党は地方議員が議会質問などで各地の施策を後押しすると同時に、今夏の参院選政策集に推進を掲げている。

党女性委員会の古屋範子委員長(副代表)は「女性の健康を切れ目なく支えていく施策の一つとして、党内で同ケアのあり方を検討していきたい」と語る。

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