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2022年8月30日

コロナ「第7波」の重症化リスク

高齢・未接種・男性で高く 
酸素投与必要な割合は減 
専門家会合で公表、新潟県調査

7月から始まった新型コロナウイルスの感染拡大「第7波」を巡って今月18日、コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織の会合で、第7波の重症化リスクに関する新潟県の調査が公表された。新型コロナ感染症患者のうち、酸素投与を必要とする「中等症Ⅱ」以上となる割合は第6波と比べて減少。一方、「高齢」「ワクチン未接種」などでリスクが高い傾向が示されたほか、小児の重症例も報告された。

新潟県の調査によると、7月中に陽性となった3万6937人のうち、103人(約0.3%)が中等症Ⅱ以上で、4割に当たる41人が高齢者施設の入所者だった。約0.5%が中等症Ⅱ以上だった第6波と比べて、割合は低下した。

調査のポイント

主な高リスク要因

▼ 高齢者(70代以上)
▼ ワクチン未接種
▼ 慢性呼吸器疾患
▼ 慢性腎臓病
▼ 男性
▼ BMI 18.5未満のやせ型

※中等症Ⅱ以上の103人のみの限定的な分析結果であり、留意が必要

慢性呼吸器疾患・腎臓病も注意

中等症Ⅱ以上となった人の分析では▽70代以上▽ワクチン未接種▽慢性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患=COPD、間質性肺炎、治療中のぜんそくを含む)▽慢性腎臓病▽男性▽肥満度を示す体格指数(BMI)18.5未満のやせ型――でリスクが高いとされた。

小児も含めワクチン重要

新潟大学特任教授 菖蒲川由郷氏

今回の調査に携わった新潟大学の菖蒲川由郷・特任教授(公衆衛生学)に第7波での重症化リスクについてコメントを寄せてもらった。

第7波で重症化しやすい人の条件は、第6波と比べて大きな違いはないと考えられる。

高齢者やワクチンを接種していない人、基礎疾患のある人などは注意が必要だ。

特に今回の調査では、高齢者でも70代以上の人や、基礎疾患の中でも慢性呼吸器疾患や慢性腎臓病の重症化リスクは高かった。女性より男性のリスクが高い理由は、喫煙率の高さの影響も含まれる。

また、フレイル(虚弱)でやせ型の高齢者のリスクが高かった。ただ、103人だけの分析結果なので、肥満や他の基礎疾患など以前からリスクとされている条件を除外できるとは言い切れない。

中等症Ⅱ以上となる割合は第6波よりも低下したが、オミクロン株の派生型「BA.5」の感染力は強く、高齢化率の高い地方で感染が急増している印象だ。感染者の総数の増加と、高齢者への拡大が死者数を押し上げているのではないか。

一方、第7波ではワクチン未接種の10歳未満の死亡例も出てきた。リスクの高い人はもちろん、小児も含めてワクチン接種は重要な対策だ。

社会経済活動が回復する一方、高齢者など依然としてリスクにさらされている人がいる現実を直視し、社会全体で守っていく必要があるとの認識を広げるべきだ。

政府には、緊張感の中で働く医療・介護現場などへの手立ても実施してもらいたい。

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