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2022年8月29日

【主張】NPT再検討会議 次回へ核先制不使用の論議進めよ

核兵器の不拡散と核軍縮の促進、原子力の平和的利用の三つを柱とする核兵器不拡散条約(NPT)の運用状況を見直す再検討会議が26日(日本時間27日)に閉幕した。

NPTの締約国は今月1日から約4週間、米ニューヨークの国連本部で交渉を続けてきたが、その成果を示す最終文書にロシアが反対。全会一致でないと合意は成立しないため、最終文書が採択されずに終わったことは極めて残念だ。

ロシアが最後まで難色を示したのは、ロシア軍が占拠した、ウクライナ南東部のザポロジエ原発について言及した文言である。最終文書では、同原発周辺の軍事活動に対して「重大な懸念」を表明していた。

ロシアは、ウクライナへの侵略という、武力の行使を禁じた国連憲章に違反する行為に及んでいるのであり、各国から非難されるのは当然である。本来なら、ロシア軍はザポロジエ原発から直ちに撤退し、最終文書が求めた「ウクライナ当局による管理」が確保されなければならない。

一方、核軍縮の促進に関する文言については、米国、英国、フランス、ロシア、中国の核兵器保有5カ国を含む各国が歩み寄れていたことに注目したい。

最終文書では、完全な核廃絶が核兵器の脅威に対する「唯一の絶対的保障」であることと、非保有国に核兵器を使用しないと保有国が約束した「消極的安全保証」(NSA)の条約化など規範強化に向けた交渉が必要であることが確認されていた。まずは、この文言を起点に核軍縮を進めていってはどうか。

公明党創立者である創価学会の池田大作名誉会長が再検討会議に先立って提言した、保有国は核攻撃されない限り核兵器を使わない「先制不使用」に関する文言も、22日時点の文書案に盛り込まれていた。最終的に削除されたが、先制不使用の重要性が真剣に討議されたことは重要だ。2026年開催の次回の再検討会議に向け、先制不使用について合意できる国際的な機運も高めていきたい。

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