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コロナ全数把握見直し
都道府県判断で重症リスク患者に限定
来月7日から入国時の陰性証明免除
首相が表明
政府は24日、新型コロナウイルス感染者の「全数把握」が医療機関や保健所の負担になっていることを踏まえ、都道府県の判断で、重症化リスクのある患者などに限定できるようにすることを決めた。水際対策も条件付きで緩和し、9月7日から出国前の検査に基づく陰性証明に代えて、ワクチン接種証明の利用を可能にする方針を打ち出した。岸田文雄首相がオンラインで記者団に明らかにした。
首相は感染者の届け出について、発熱外来や保健所業務が逼迫した地域を対象に、高齢者や入院を要する人、重症化リスクがあり治療薬投与が必要な人などに限定することを「緊急避難措置として自治体の判断で可能にする」と説明。ただし、届け出対象外でも、陽性者数は原則として従来通り把握に努める。首相は「発熱外来のさらなる拡充を図る」とも語った。
全数把握の見直しについては25日に省令を改正する。感染者総数と年代別総数を毎日公表することを条件に、届け出対象を絞り込めるように変更する。
また、首相は「療養の考え方の転換、全国ベースでの全数届け出の見直し、陽性者の隔離期間の短縮などについて、できるだけ速やかに示す」と記者団に述べた。
軽症者への対応強化策としては、月内に検査キットをOTC(一般用医薬品)化し、インターネットなどで入手が容易になるよう取り計らう考えも示した。
水際対策では、日本への帰国者を含む入国者への検査義務付けを改め、9月7日から、出国前72時間以内の検査に基づく陰性証明に代えて、3回目までのワクチン接種を条件に接種証明を利用できるようにする。
現場の負担軽減重要
石井幹事長
全数把握の見直しなど政府の新たな方針について議論した党対策本部=24日 衆院第2議員会館
公明党新型コロナ感染症対策本部(本部長=石井啓一幹事長)は24日、衆院第2議員会館で政府から新たな方針について説明を受け、議論した。
石井幹事長は「感染全体の状況の把握と、医療現場の負担軽減を両立しなければならない。非常に重要な課題だ」と指摘した。出席議員は、全数把握の見直しについて、自治体ごとに対応が異なることで現場が混乱しないよう、政府に丁寧な説明を要請。検査キットを巡っては、国が承認した「体外診断用医薬品」と表示された製品を購入できるよう、分かりやすく周知することを求めた。