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2022年8月12日

コラム「北斗七星」

鈍い衝撃音が聞こえた。「何か爆発したぞ」「アンコントロール(操縦不能)」「気合を入れろ」「頑張れ」……。操縦室で機長らはあらゆる手を尽くしたのだろう。だが、その甲斐もなく、ボイスレコーダーは衝撃音から30分余で途切れている◆37年前のきょう8月12日午後6時56分、日本航空123便が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落し、520人が犠牲に。「本当に今迄は幸せな人生だったと感謝している」。大揺れの中、乗客が懸命に家族へ書き残した遺書。無念さに胸が締め付けられる◆単独の航空機事故では世界最悪の惨事だ。原因は、機体後部にある圧力隔壁の修理ミスに、点検での見落としが重なったこととされる。人災の色彩が極めて濃い◆遺族でつくる「8.12連絡会」が出版した文集『茜雲』(2015年、本の泉社)に、こんな一節がある。「日本の『安全文化』は被害者が発信する悲痛な声、事故を起こした側の真摯な反省の姿勢、それらを受け入れ、支えていく社会の動きが合わさって高まっていく」。この思いに応えられているだろうか◆『茜雲』の題名は、乗客が最後に見たであろう夕焼け空の雲にちなむ。あの日と同じ空の下、犠牲者の冥福を祈り、安全構築を誓いたい。(東)

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