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2022年8月10日

【主張】外国人技能実習制度 人権守り安心して働ける仕組みに

政府は、外国人技能実習制度の本格的な見直しに着手する。古川禎久法相が7月29日の閣議後記者会見で表明した。関係閣僚会議の下に有識者会議を設け、具体的な制度改正に向けた議論を進める。

技能実習制度については人権侵害などの問題が指摘されている。実態を踏まえ見直しを急ぐべきだ。

1993年に創設された技能実習制度は、途上国などから外国人を受け入れ、働きながら習得した技能や知識を母国の経済発展に生かしてもらうのが主な目的だ。最長5年働くことができ、実習生は昨年末時点で約27万6000人いる。

看過できないのは、実習生を巡り賃金未払いや違法な長時間労働、実習先での暴行、いじめなどの人権侵害の報告が相次いでいることだ。

厚生労働省が昨年、法令違反が疑われる9036事業所を調査した結果、約73%で残業代未払いなどの違反が見つかった。実習生は原則3年間は転職できないこともあり、失踪するケースが後を絶たず、昨年は7167人に上った。

米国務省が先月発表した世界の人身売買に関する報告書では、日本で実習生が「強制労働」をさせられているとの報告があるとし、政府の対応を問題視している。

法相は「国際貢献という目的と、人手不足を補う労働力としての実態が乖離しているとの指摘があり、もっともだと受け止めている」と述べている。課題は明白であり、速やかに改善するのが当然である。

見直しの論点としては、新たな外国人材の受け入れを目的に3年前に導入された「特定技能制度」との一本化や、技能実習制度を監督する「外国人技能実習機構」の体制強化のほか、技能実習生が「特定技能」に移行することも含めたキャリアパスのあり方なども挙げられている。

大事なことは、技能実習生が安心して働き、技能を習得できる環境づくりである。とりわけ、実習生の人権を尊重する制度に改めなければならない。

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