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コラム「北斗七星」
出演者が、ひたすら路線バスを乗り継いで、目的地をめざす。テレビの人気長寿番組だが、最近は乗ろうとしたバスが廃止され利用できない、という場面が増えたようだ。バスがなければ何キロでも歩く。過酷な旅番組になりつつある◆こちらは鉄道の話だが、JR東日本が先月、経営の苦しいローカル線の路線ごとの収支を公表した。対象の35路線66区間はすべて赤字で、中には100円稼ぐのに15000円以上の費用が掛かる区間もある◆国土交通省の有識者会議も危機的な経営状況の路線について、国と自治体、鉄道事業者があり方を協議するための枠組みづくりを提言した。ただ存続や廃止を主張し合うのではなく、地域の足をどうすべきか、関係者が知恵を出し合う場は重要だ◆10月には、11年前の豪雨で寸断された福島・新潟両県を結ぶJR只見線が全線で運転を再開する。超ローカル線で、JR側はバスへの転換を提案したが、地元自治体が年間3億円に上る維持費を負担することで復旧が決まった◆只見線は「秘境の絶景鉄道」として海外にも知られている。地元では、そうした強みを最大に生かし、只見線を盛り上げようと意気込んでいる。こんな挑戦も応援していきたい。(千)