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2018年5月14日

大川小訴訟の上告 学校防災強化の手を緩めるな

逝ってしまった子どもたちとその遺族のことを思うと、何ともやるせなくなる。残念というほかない。

東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校をめぐる訴訟で、市と県が10日、学校の事前防災対策の不備などを認めた仙台高裁判決を不服として最高裁判所に上告した。

8日に開かれた石巻市議会(定数30)で、市が提出した上告の承認を求める議案が可決されたのを受けた措置だが、採決は賛成16、反対12(欠席1)と拮抗した。

9日の県議会全員協議会でも賛否は分かれ、知事が専決処分で上告を決めたことへの不満も少なくなかった。

議会レベルでのこの経過にも明らかなように、上告には疑問符が残る。公明党が「これ以上、法解釈の是非を争うより、控訴審判決を真摯に受け止め、学校防災の充実に努めるべき」として反対したのは当然だった。

控訴審判決は、津波が十分予想できたのに学校は事前の対応を怠ったなどとして、学校や市教委などの組織的過失を初めて認めた。南海トラフ地震など大規模災害が想定される中、全国の学校防災の強化につながると期待された。

その好機をなぜ手放すのか。遺族ならずとも、上告には失望を禁じ得ない。

そもそも亀山紘市長の言う上告の理由が納得できない。「(大川小の惨劇は)想定できなかった災害。校長らに専門家並みの知識を求めるのは無理がある」と説明するが、児童の命を守る学校の責任を軽く見過ぎてはいないか。

確かに校長はじめ教員は忙しく、防災まで手が回らないというのが現実なのかも知れない。だが、それを理由に、子どもを災害から守る措置を怠っていいはずはない。

だからこそ行政は、理想と現実の差を埋めよ――。判決の趣旨はこの一点にこそあったのではなかったか。

実際、裁判を通して、大川小の危機管理マニュアルのずさんさや、それを指導しなかった市教委の不手際が明らかになった。市や県は、その怠慢を反省するのが先だろう。

国や全国の学校、自治体も、学校防災強化の手が緩まないよう、控訴審判決の重みを改めて噛みしめてもらいたい。

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