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【主張】海洋プラごみ対策 アジア諸国の取り組みが重要に
世界各地から大量のプラスチックごみ(プラごみ)が海に流入することで、深刻な海洋汚染を招いており、国際社会が最優先で取り組むべき課題の一つとなっている。
ところが、この問題の実態が十分に解明されているとは言い難い。まずは、プラごみがどこから、どういう理由で海に流入しているのかなどについて正確な情報を集めなければならない。
プラごみによる海洋汚染が初めて国際的に注目されるきっかけとなったのは、米ジョージア大学のジェナ・ジャムベック准教授が中心となった研究チームが2015年に発表した調査報告である。
それによると、海に流入するプラごみの主な発生源はアジア諸国であるという。
驚くことに、海へのプラごみの排出量が多い上位20カ国のうち、12カ国がアジア諸国である。中国が最も多く、インドネシア、フィリピンと続いている。
このことを重視した対策に日本が乗り出す。日本の外務省は今月、国連環境計画(UNEP)が東南アジアのメコン川流域とインドのガンジス川流域で実施する、プラごみの排出源と経路の特定などに向けた取り組みに、1億2300万円を拠出すると発表した。UNEPを通じた日本主導の取り組みである。
海に流入するプラごみの88%から95%が世界の10の河川に由来し、そのうちの八つがメコン川やガンジス川などアジアの河川であると指摘する研究報告もある。プラごみによる海洋汚染問題の根源的な解決につながることを期待したい。
海に流れ込んだプラごみは風や紫外線によって粉々に砕け、直径5ミリ以下のマイクロプラスチック(MP)となるが、日本は最小0.35ミリまでのMPを特殊なネットで採集し、その材質を分析できる高い技術を持つ。そうした技術を、アジア諸国から排出されるプラごみの採集などに生かすこともできる。
6月の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、プラごみの海洋汚染対策に関する宣言が採択される見通しとなっている。アジア諸国が一致団結してこの問題に取り組む気運を、日本が先頭に立って盛り上げていきたい。









