ニュース
コラム「北斗七星」
もうしばらくすると、島根県の山間部では合歓の木が一斉に開花する。紅色の花が風に揺れる姿は〈天より降りきたっておのずから大地をうるおす恵みの雨〉(シェイクスピア『ヴェニスの商人』小田島雄志訳)のようである◆4年前の7月、西日本を中心に豪雨が猛威を振るった。その後、澄みきった川の流れに向かって降り注ぐように咲く合歓の花の群生に癒やされたことを、梅雨の時季になると思い出す◆大雨に注意が必要な季節になった。3カ月予報では、6月は東日本、西日本で降水量が多くなると見込まれている。心して豪雨災害に備えたい◆それにしても近年の雨の降り方は尋常ではない。なんでも、過去40年間の日本周辺の降雨変化を分析した米海洋大気局・地球流体力学研究所のグループによれば、雨量が極端に多いなど“異常な雨”が全国で2倍、西日本で3倍に増加しているそうな。地球温暖化の影響だろうか◆気象庁は今月から、集中豪雨をもたらす「線状降水帯」の発生を半日前をめどに予報する取り組みを開始した。迅速に危難を知らせ早期避難につなげるよう、公明党が推進してきたものだ。一人でも多くの命を守るために予測精度を高めていってほしい。(中)