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2019年3月13日

自転車保険

自治体、条例で加入促す 
高額化する賠償請求に対応

自転車での加害事故例

近年、自転車事故を起こした加害者に対し、高額な賠償金の支払いを命じる判決が少なくない。2013年には、小学生が自転車で坂を下っている際、はねられた女性が重傷を負った事故をめぐって、神戸地裁が小学生の保護者に約9500万円の賠償を命じた。この事例以外にも、数千万円から1億円近い支払いを求めるケースも出ている。

このため、住民に自転車保険の加入を勧める自治体が増えている。いずれの自治体も、通学や通勤を含め自転車を利用する全ての人が対象になる。また、自転車の販売店やレンタル店に対しても、購入者や利用者が保険に加入しているかどうか確認し、保険加入を勧めるよう協力を求めている。

公明党は、全国の地方議会で自転車保険の充実や加入促進を求める条例づくりを推進している。

例えば、兵庫県では15年3月、全国で初めて保険加入を義務付ける条例が成立した。公明議員が議会質問で保険加入の促進を訴えたのに対し、県側が条例制定を進める方針を示したことで実現につながった。

同年4月には、県交通安全協会が損害保険会社と提携し、独自の自転車保険制度を始めた。保険料を含め年間1000円から3000円を支払うと、家族全員を対象に最大1億円まで賠償金を補償する。加入者は現在、約10万人に上る。

福岡県では、長年、自転車政策を訴えてきた公明議員の主張が実り、自転車の安全利用と事故防止を目的とした条例が17年3月に成立。同10月に自転車保険の加入が努力義務化された。兵庫県と同じく県交通安全協会が独自の自転車保険制度を創設し、加入者は1万人を超す。

名古屋市では、公明議員が兵庫県などへの現地調査や地方議員同士の横の連携を通じて議会質問で条例制定を主張。市側が「加入の義務化を含めて早期に検討していく」と応じたものの、その後、答弁とは異なる条例素案が示された。このため、公明議員が修正の必要性を訴え、17年3月に自転車保険の加入を義務付ける条例が成立した。

京都市では、10年に自転車の安全・安心な利用を促す条例が成立。これは、公明党単独で議会に提出したもので、当時、議員提案の条例案が同市で初めて実現したことが大きな注目を集めた。

同条例は、全国で初めて、市立小中学校で自転車交通安全教室の実施を義務付けるとともに、販売業者らに保険加入促進の努力義務を課す内容だった。この条例を改正し、18年4月から自転車保険の加入義務付けが始まった。

このように、自転車保険加入の義務化や促進を求める条例を制定した自治体は、都道府県・政令市レベルでは24を数える。これに加え、今月8日には、長野、静岡の両県議会で自転車保険の加入を義務付ける条例が成立するなど、制度化の動きは一層の広がりを見せている。

自転車保険は、加入した保険の種類によって補償額が異なるものの、年間数千円の保険料で最大1億円程度の個人賠償責任補償が主流となっている。低額の費用で手厚い補償を得られるのが特長だ。

国も有識者検討会で議論

自転車保険条例の制定が自治体に広がる動きを踏まえ、国は今年1月、国土交通省内に自転車事故による損害賠償のあり方を協議する有識者検討会を発足させた。

現在、保険の補償内容や、自動車損害賠償保険と同様、全国一律で自転車利用者に保険加入を義務付けるかどうか検討している。

自転車は、国内の保有台数が約7200万台と、自動車の台数にほぼ匹敵するほど多いためか、歩行者や他の自転車を巻き込んだ事故は一向に減らない。

また、事故を起こした自転車運転者の約4割が20歳未満であることから、保護者の加入の必要性も指摘されている。

公明党は10年、党内にプロジェクトチームを発足。自転車が安全・快適に走りやすい環境のあり方などについて活発に議論を重ねた。11年には、自転車専用信号や専用通行帯の整備に加え、交通安全教育の徹底や自転車保険の拡充などを盛り込んだ党独自の提言を発表した。

17年12月に成立した自転車活用推進法の中に、提言内容が随所に盛り込まれている。同法に基づく推進計画(18年6月に閣議決定)には、法律による保険加入の義務化について検討を進める方針が明記されている。

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