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2022年5月29日

こども家庭庁の創設

今国会では、公明党が推進した、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の設置法案と、子どもの権利を保障する「こども基本法案」(与党提出の議員立法)が審議されている。いずれも今国会での成立をめざす。法整備の意義や背景について解説する。

組織
一元的に政策担う司令塔

こども家庭庁は、少子化や虐待、貧困といった子どもに関する課題に総合的に対応する新しい行政組織。首相直属の機関として内閣府の外局に設置され、厚生労働省や内閣府が担ってきた子どもや子育てに関わる主な部署を移管。各省庁より一段高い立場から、子ども政策を一元的に担う。

子ども政策に関わる省庁は多く、これらの縦割り行政を解消することが主な目的だ。

義務教育など教育分野は引き続き文部科学省が担当するが、司令塔機能の一環として、担当閣僚は「勧告権」を持ち、各省庁の取り組みが不十分な場合に改善を促すことができる。法案が成立すれば300人以上の体制で2023年4月に発足される。

具体的には、こども政策担当相、こども家庭庁長官を置き、その下に、政策立案や情報発信などを行う「企画立案・総合調整部門」、妊娠・出産支援や子どもの安全などを担う「成育部門」、虐待やヤングケアラーなど、さまざまな困難を抱える子どもや家庭を支える「支援部門」をつくる。

背景
虐待、貧困など深刻な環境

政府が家族支援に充てる予算規模(対GDP比)

こども家庭庁の創設が必要な背景には、子どもを巡る環境が一層、深刻さを増している現状がある。

例えば、2020年の出生数は約84万人と過去最少を記録するなど少子化対策は待ったなしの課題となっている。

また、児童相談所が対応した虐待件数は、20万件を超え(20年度)、過去最多を更新している。ひとり親家庭では、半数以上が貧困状態にあり、親が育児に関われず、虐待などにつながるケースもある。子どもと家庭を社会全体で支える取り組みが求められている。

一方、子ども政策の充実には、政府の組織の見直しにとどまらず、予算の確保も欠かせない。

子育てや教育に関する公的支出である「家族関係支出」を国内総生産(GDP)比で見ると、日本は2%に満たない。3%を超える英国やスウェーデンなど欧州の主要国と比べ、低水準にとどまっている。

公明党は、政府に対し、子育て・教育に関連する予算の大幅な拡充を求めている。

こども基本法案
権利守る理念を規定

公明党が推進する「こども基本法案」は、法的に子どもの権利を定めて、子ども施策を総合的かつ計画的に推進するのが狙い。

日本は1994年に「子どもの権利条約」を批准したが、子どもの権利をうたった法律はなく、同法案は画期的な法整備と言える。

権利条約には「生命・生存・発達の権利」「子どもの最善の利益」「子どもの意見の尊重」「差別の禁止」の4原則が定められており、同法案にも同様の権利が明記されている。これにより、今後の子ども施策は4原則を基本理念として実施されるようになる。その上で具体策を立案し、推進役を担うのが「こども家庭庁」となる。

また同法案には、政府が子ども政策の基本方針である「大綱」を策定することを明記。これまで少子化社会対策や子どもの貧困対策など、別々に策定されていたものを一つにまとめ、子ども施策の具体的な目標と達成時期を定める。さらに首相をトップとする「こども政策推進会議」を設置することも盛り込まれている。

公明、「子ども優先」を掲げ 実現リード

当時の菅義偉首相(中央)に提言を手渡す竹内譲政務調査会長(左隣)ら=2021年5月31日 首相官邸

公明党は、昨年5月、政府の経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」などに関する提言の中で「子ども家庭庁」(仮称)の設置や「子ども基本法」(仮称)の制定を主張。

昨年の衆院選でも、子どもの幸せを最優先する社会の実現へ「子育て・教育を国家戦略に」と訴え、同庁の設置を求めてきた。

公明党は2006年に策定したチャイルドファースト(子ども優先)社会の構築をめざす「少子社会トータルプラン」に基づき、出産育児一時金の拡充や幼児教育・保育の無償化、不妊治療の支援拡充などを実現し、子育て政策をリードしてきた。

今後は党として「子育て応援トータルプラン」を策定し、子ども政策のさらなる充実に取り組んでいく。

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