ニュース
コラム「北斗七星」
メディアでよく目にする北斎の作品。実物を見るのは初めてだった。江戸時代後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎の展覧会「大英博物館 北斎」の会場に足を運んだ◆富士山を描いた有名な「冨嶽三十六景」も18点を展示。赤く染まった富士山が鮮やかな「凱風快晴」やダイナミックな波が印象的な「神奈川沖浪裏」など珠玉の作品を堪能できた◆90歳まで長生きした北斎だが、68歳の時に脳卒中を発症。麻痺で絵が描けなくなる絵師もいたようだが、北斎は自家製の柚子を調合した薬で回復する。その後、70歳代で冨嶽三十六景を発表したが、もし症状が重ければ、代表作は世に出なかった可能性もあった◆北斎の時代から170年経った今も、脳卒中は重篤な病気の一つ。年間31万人以上の国民が心臓病も含めた循環器病で亡くなっている。これまで公明党は、脳の血管内に詰まった血栓を溶かす薬を投与するt―PA療法の導入と健康保険の適用を実現。また国の循環器病対策基本法の制定を粘り強く推進してきた◆北斎は晩年、もう少し寿命があれば「真の画家になれただろうに」と語った。もし公明党が進める命を守る施策について「北斎と対話できたら」と思いつつ会場を後にした。(和)