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2022年5月25日

「紙」と同等の扱い 障害者手帳をスマホに

本紙読み党員が議員に提案 
岐阜・中津川市

障害者手帳を持ち歩かなくても大丈夫。紙の手帳をなくす心配もなし――。岐阜県中津川市でこのほど、デジタル障害者手帳アプリ「ミライロID」が、市有施設などで使えるようになった。スマートフォン(スマホ)で同アプリの画面を提示すれば、利用料が減免される。きっかけをつくったのは、障害者手帳を持つ公明党員。本紙で「ミライロ導入」の記事を見て「わが市でも」と議員に伝え、スピード実現させた。

ミライロIDを各務さん(左)に説明する糸魚川市議

昨年11月24日朝。岐阜県中津川市の党員・各務惠美子さん(69)は、いつものように公明新聞を開くと、7面の記事に目が止まった。埼玉県鴻巣市が「ミライロID」を導入したという話題だ。聴覚に障がいがあり、障害者手帳を持つ各務さん。「中津川市にもこれがあったら!」と思い、以前から障害者手帳の紛失・破損対策に取り組んでいた公明党の糸魚川伸一市議に連絡した。

ミライロIDは、株式会社ミライロ(垣内俊哉代表取締役社長)が2019年に発表。スマホに障害者手帳の情報を登録しておくもので、紙の手帳を持ち歩かなくてよいのが最大の利点だ。アプリ特有の機能として、飲食店で使えるクーポン配信や、障がい者の生活に役立つ情報発信などがある。全国3000以上の事業者が本人確認書類として活用しており、紙の手帳と同等の扱いをする自治体も増えている。

各務さんは中学生の頃に聴力が低下。26歳からは補聴器を使っている。その後、障害者手帳の交付を受け、40年以上、手帳を持ち歩いてきたが、「家に忘れてバス乗車代の割引を受けられないことがあった。今の手帳も、服のポケットに入れたまま洗濯してしまい、文字がにじんでいる」(各務さん)。記事で知ったミライロIDは、その悩みを解決してくれるものだった。

各務さんの思いを聞いた糸魚川市議は、今年3月の定例会でミライロIDを紹介。障がい者の生活をサポートし社会参加を促すため、市の施設でも使えるようにすべきだと訴えた。この質問が追い風となり、翌4月下旬には市施設でミライロIDが使えるようになった。

市施設・バス利用料を減免

使えるのは市の8施設とコミュニティーバス。このうち鉱物博物館と中山道歴史資料館など6施設では、本人と介護者1人の利用料が無料に。また、図書館では本の貸し出し期限を通常15日のところ、1カ月に拡大。コミュニティーバスは本人と介護者1人が半額で乗れる。市は今後、民間のバス会社などでもミライロIDで割引が受けられるよう働き掛ける方針だ。

糸魚川市議と懇談した各務さんは、「出掛けるときにスマホは忘れない。多くの人が助かる」と笑顔で。糸魚川市議は「導入できたのは、声を届けてくれた各務さんのおかげ」と応じた。各務さんは「党員が住民の願いを公明議員に伝え、議員はその実現に頑張る。それぞれの役割を果たして、良い中津川市にしましょう」と語った。

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