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【主張】サポカー限定免許 高齢運転者の事故減らしたい
高齢運転者による自動車事故を減らすための新たな取り組みが始まった。
改正道路交通法が13日に施行され、事故防止装置を備えた「安全運転サポート車(サポカー)」に限定した免許制度や、高齢運転者に対する「運転技能検査」が導入された。
サポカー限定免許では、衝突被害を軽減する自動ブレーキ装置や、ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ時に急発進を抑える装置を搭載した普通自動車しか運転できない。
警察庁は、高齢により運転技能に不安があるが、免許の返納をためらう人などの利用を想定している。
実際、公共交通機関が十分でない地域ではマイカーが生活の足となっており、仕事のため免許を手放せないケースもある。こうした、やむを得ない事情がある高齢運転者にとって、安全性の高いサポカーに限定した免許は重要だ。
限定免許は免許の更新時に申請すれば交付され、切り替え後にサポカー以外を運転した場合の違反点数は2点となる。限定免許の対象となる車種は警察庁のホームページに公表されている。
警察庁によると、2021年に自動車やバイクで75歳以上の運転者が起こした死亡事故は346件で、事故全体に占める割合は過去最高の15.1%となった。自動車による死亡事故の原因を見ると、ハンドル操作の誤りやブレーキとアクセルの踏み間違いなどが最も多かった。
公明党は高齢運転者による事故防止のため、サポカーを前提とした「新たな運転免許制度」の創設を国会質問などで訴え、20年に成立した改正道交法に盛り込まれた。今回の新制度開始を評価したい。
一方、運転技能検査は、一定の違反歴がある75歳以上の運転者に対し、免許更新時の受検を義務付ける。更新期限の6カ月前から何回でも受検でき、合格しなければ免許は失効する。
免許を持つ高齢者は増加傾向にある。新たな制度によって悲惨な事故が減少することを期待したい。