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線状降水帯の予報
早期避難へ半日前発表
気象庁が6月からスタート
気象庁は6月から、豪雨災害を引き起こす「線状降水帯」を発生の半日前に予報する取り組みを開始する。線状降水帯の形成を事前に知らせて警戒を呼び掛け、早期避難につなげる考え。公明党が強力に推進してきた。
線状降水帯は、海から流れ込む暖かく湿った空気が積乱雲を発生・発達させ、風に流されながら帯状に連なることで集中豪雨をもたらす。これまで、線状降水帯の発生を予測することは困難だったが、民間船舶の協力も得て海上の観測体制を強化。スーパーコンピューター「富岳」の分析も駆使する。
気象庁は、当面の間「九州北部」など、大まかな地域の単位で発表するが、徐々に精度を向上させ、2029年度には市町村単位での情報提供をめざす。斉藤鉄夫国土交通相(公明党)は4月28日の閣議後記者会見で、世界最高レベルの技術を用いて「大雨災害から一人でも多くの命が守れるよう取り組む」と述べた。
公明の主張で防災加速化対策に反映
公明党は、18年の西日本豪雨や20年の熊本豪雨など線状降水帯による近年の豪雨災害を踏まえ、政府に予測精度向上を訴えてきた。20年10月の参院代表質問では、山口那津男代表が「早期避難に直結する線状降水帯の観測・予測技術の向上は喫緊の課題だ」と指摘。21年度から始まった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」には、発生情報を半日前から提供できるよう、技術開発に取り組むことが盛り込まれていた。