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【主張】こども家庭庁 支援策拡充の重要な司令塔
今国会では「こども家庭庁」設置法案が審議されている。公明党が掲げる「子どもの幸せを最優先する社会」の構築へ重要な法案だ。
同庁は首相直属の機関と位置付けられ、少子化対策のほか虐待やいじめ、貧困など子ども関連の政策を一元的に担う。「こども」の定義については、18歳や20歳といった特定の年齢で区切らず「心身の発達の過程にある者」と定め、切れ目ない支援をめざす。
担当閣僚は各省庁の取り組みが不十分な場合に改善を促す「勧告権」を持つ。法案が成立すれば300人以上の体制で2023年4月に発足する。
子どもや子育て家庭を巡る環境は複雑化、多様化しており、縦割りの行政組織では必要な支援から抜け落ちる子どもが生じかねない。例えば、子どもの貧困は内閣府、児童虐待は厚生労働省が担っているが、生活困窮が育児放棄や虐待につながるケースがある。
より効果的な対策づくりには、行政の縦割りを打破し、国を挙げた取り組みを進める司令塔が必要だ。この点で、こども家庭庁を創設する意義は大きい。
公明党は、同庁設置を強く推進してきた。
昨年5月には、政府の経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」などに関する提言の中で「子ども家庭庁」(仮称)の設置を主張。10月の衆院選の重点政策でも同庁設置を訴えた。
また、法案に盛り込まれた首相の直属機関としての位置付けや他省庁への勧告権なども、公明党の主張を反映したものである。
公明党は06年に策定した「少子社会トータルプラン」に基づき、幼児教育・保育の無償化をはじめとする教育費負担の軽減など、幅広い子育て支援策を実現してきた。しかし、いまだ少子化の流れが続き、長期化するコロナ禍の影響もあって虐待や貧困などの問題が深刻化している。
子ども政策を格段に拡充する必要があり、子どもの権利を保障する「こども基本法案」とともに、こども家庭庁設置法案を今国会で成立させたい。