「22歳の壁」という言葉がある。児童養護施設の入所者が大学卒業後、その施設を出なければならないことを指す。入所者の大学進学率が低い実情もあり、「18歳の壁」と呼ばれることも◆さまざまな事情で保護者と暮らせない子どもを保護し養育する社会的養護は日本の場合、施設での養護が多い。施設を出た若者は頼れる親元もなく孤立し、困窮することも少なくない◆公明党も推進した法改正で2017年からは、大学卒業時まで施設の入所支援の期間が延びている。それでも自立後、社会生活のいろいろな場面で差別にさらされることも多く、悪徳商法のターゲットとなる危険もある◆こうした若者支援のため奨学金や家賃支援、相談支援などに取り組む自治体や民間団体、社会活動家を、児童虐待問題との関連で何度も取材した。若者の未来を真摯に憂う人の話を聞き、議員に協力を要請したこともある◆今国会で、施設入所など支援期間を柔軟に延ばせるようにする内容を含む児童福祉法改正案が審議されている。公明党はボイスアクションでも多くの若者の声に耳を傾けた。未来を生きる若者が希望を持てる社会へ、さらに「壁」を壊し前途に光明を見いだす闘いは続く。（唄）