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2019年3月9日

コラム「北斗七星」

 「もっとも見晴らしのきく一点にとどまりつづけていたとしたら、彼はいち早く、くたばっていただろう」。ロビンソン・クルーソーについて、『カフカ寓話集』(岩波文庫)に収められた一節だ◆日本でも有名なロビンソン・クルーソーは難破船から一人生き残り、孤島で暮らす冒険小説の主人公である。島を調査し住居を整え、獣や魚を狩り、穀物を植えて食料を確保。毛皮で衣服も作った。母国に戻ったのは出航から35年たったころである◆カフカが言うように、一点に執着していたら、生還できなかったろう。探査機「はやぶさ2」が小惑星・りゅうぐうに着陸する瞬間を捉えた動画を見て、この寓話を思い出した。続発する故障の中、小惑星・イトカワから岩石のかけらを持ち帰った「はやぶさ」の後継機である◆任務は小惑星内部の物質を採取すること。金属弾を超高速で打ち込み巨大な穴を掘り、中の物質を地球に持ち帰るという壮大な試みだ。はやぶさと、はやぶさ2。小惑星の試料を採り太陽系誕生の謎を探る世界初の構想を描いたのは、34年も前と聞く◆今回は地形が想定以上に険しいことが分かり、計画を再検討。「できるだけ頭の温度を下げクールにやりきりたい」とのプロジェクトマネジャーの言葉通り、まずは無事着陸させた。冷静な対応。それが勝つ鍵でもあろう。(田)

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