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試験運航から20年 ドクターヘリ 全国に53機配備
年2万8千件出動、命救う
世界初 自動通報システムも運用
日本にドクターヘリが誕生してから今年で20年。長年にわたる公明党の推進により、ドクターヘリは、ほぼ全国をカバーできるまでに広がり、多くの命を救っている。ドクターヘリの現状を解説するとともに、認定NPO法人「救急ヘリ病院ネットワーク(HEM―Net=ヘムネット)」の篠田伸夫理事長のコメントを紹介する。
一刻を争う救急現場に医師らを乗せて駆け付けるドクターヘリ。時速200キロ以上で飛行し、50キロメートル離れた場所にも15分ほどで到着し治療を開始できるため、救急車の搬送より救命率が3割高いとされる。
ドクターヘリは、1999年10月に厚生労働省のモデル事業として神奈川、岡山両県の2病院で試験運航を開始。2001年度に5県で本格的な事業が始まって以降、導入する道府県は増え続け、現在43道府県に53機が配備されるまでに拡大した。出動実績も右肩上がりで、日本航空医療学会によれば、17年度は約2万8000件に上る。
なお、未導入の都府県についても、東京都は独自の「東京型」を実施。京都府は関西広域連合内のヘリ3機で共同運航。福井県は既に一部地域を関西広域連合の京滋ドクターヘリがカバーしつつ、単独運航も積極的に検討中。香川県も来年度以降、導入を検討する方針で、さらに広がる可能性がある。
一方、救命率向上への新たな取り組みとして、救急自動通報システム「D―Call Net(ディーコールネット)」の本格運用が18年度からスタートしている。HEM―Netとトヨタ、ホンダ、日本緊急通報サービスが共同で開発した世界初の技術だ。
このシステムに対応した車が交通事故に遭った場合、衝突の方向や激しさなどのデータから死亡・重症率を推計した上で、オペレーションセンターを通して最寄りの消防本部やドクターヘリ基地病院に通報。ドクターヘリなどの要請が迅速化される。これまで事故発生から治療開始まで38分かかっていたものが、システム導入後は21分へと17分も短縮したとの調査もある。
このシステムに対応する協力病院は現在37道県51病院(ヘリ44機)に上る。
公明党は、03年の衆院選マニフェスト(政策綱領)でドクターヘリの全国配備を掲げるなど、早くから党を挙げて推進。07年には、全国配備をめざす「ドクターヘリ特別措置法」の制定を主導した。09年3月には、ヘリの運航経費に関わる地方負担分を大幅に軽減する特別交付税措置も導入し、普及を加速させてきた。
特措法で導入加速
公明地方議員の質問が後押し
救急ヘリ病院ネットワーク 篠田伸夫理事長
1999年12月に発足したHEM―Netは、日本のドクターヘリの普及と歩みを、ほぼ同じくしてきた。20年前は「救急」といえば、誰しも救急車しか頭に浮かべなかった。今や、テレビドラマの影響もあり、多くの人がドクターヘリを知っている時代となり、感慨深い。
開始当初は、法的な裏付けがない補助金事業であり、自治体の財政負担も大きく、導入の障壁となっていた。その課題を克服するため、2007年にドクターヘリ特別措置法が制定された。その後、地方の財政負担を大幅に減らす特別交付税措置が始まり、導入が加速した。
世界で初めてドクターヘリを導入したドイツが、50機配備するまでに25年かかったが、日本は本格事業の開始から15年で達成できたという分析もある。政治の力はもとより、国民の関心があったればこそ、と思う。
公明党は、国民の命を守ることを最優先の目標として、党を挙げて推進している。特に地方議員が議会で質問したことは、大きな後押しになったのではないか。住民の声を体現する議員の声を知事は無視できないからだ。
課題も残されている。通報から15分以内に医師に診てもらえる「15分ルール」を確立し、さらなる配備が必要だ。安全な運航につなげるため、パイロットの養成にも国は力を注いでいただきたい。











