ニュース
子ども食堂開催 夢が実現
公明推進 政府備蓄米の提供、県の補助金が後押し
名古屋市の党員
「子ども食堂」がコロナ禍にあって全国各地で広がっている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査によると、子ども食堂の数は昨年、過去最多の6014カ所に上り、前年に比べて1054カ所増えた。名古屋市の公明党員、片岡祐子さん(59)が代表を務める「いしき食堂」も、昨年に立ち上がった一つだ。
子どもに弁当を手渡す片岡さん(右から2人目)と犬飼県議(左隣)
いしき食堂は、名古屋市中川区下之一色町の自治会などで構成する「正色学区連絡協議会」のボランティア団体「生活安全委員会」が、昨年10月から第3土曜日に開催している。中学生までは無料、高校生以上は300円。
料理には、NPO法人「フードバンクあいち」や地域住民から提供される食材と政府の備蓄米を主に活用する。当日は、世代間交流の場となるよう、地域の高齢者らに参加を依頼。子どもたちとオセロや将棋で一緒に遊んだり、紙飛行機や風車の作り方を教えたりしている。
先月は、八宝菜、かき揚げ、菓子、ジュースなどを提供した。家族連れで訪れた益留省吾さんは「子どもが6人いるので食費が浮くのは助かる。イベントがあって子どもたちも楽しそうだ」と話していた。
片岡さんは、5人きょうだいの次女として育った。幼い頃、父が仕事中に事故に遭い、収入が減少。満足に食べられない日もあった。こうした経験があったから「子ども食堂をテレビで知った時に『必ずやりたい!』と思った」と片岡さんは振り返る。
昨年6月、学区連絡協議会で子ども食堂開催を提案。その後、公明党の犬飼明佳・愛知県議に連絡し、開設に当たって活用できる行政支援について問い合わせた。
国から政府備蓄米の無償提供を、県から開設と感染対策に対する補助金をそれぞれ受けられることを犬飼県議に聞いた片岡さんは早速、農林水産省に申し込み、備蓄米90キロを受け取った。また、県の補助金で鍋やガスコンロといった調理器具、感染対策で消毒液や検温器を購入した。
子ども食堂への政府備蓄米提供は、公明党の竹谷とし子参院議員(参院選予定候補=東京選挙区)らが農水省に求めて実現。県の補助金のうち、感染対策関連は党県議団が大村秀章知事に要望していた。
食べるご飯に苦労した自身の体験を踏まえ、子ども食堂を開催したいという夢をかなえた片岡さんは、「公明党の働きで食堂開催までスムーズにできてありがたい」と強調する。「食堂に来た子が、地域社会に貢献できる大人に成長してほしい」とも語り、訪れた子どもたちに温かいまなざしを注いでいた。