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参院選全国遊説 山口代表の演説(要旨)
公明党の山口那津男代表が29日、参院選全国遊説の第一声として、兵庫県内で行った演説の要旨は次の通り。
参院選の意義
コロナ、ウクライナ危機
課題克服、どの党に託すか
現在、二つの大きな課題に直面している。一つは、新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るい、感染者数が高止まりしていること。もう一つが、ロシアによるウクライナ侵略だ。この二つの課題を乗り越えて、次の時代をどの候補、どの政党に託すかが問われるのが、夏の参院選だ。
コロナを早く乗り越えないと日本の経済も社会も身動きが取れない。ワクチンの3回目接種で予防し、国産飲み薬の実用化を進めて薬で治していけるようにして、コロナを乗り越え、経済社会活動を活発にする道を開いていく。デジタル化を進め、気候変動に強い脱炭素社会をつくっていく。その道のりの中で新しい技術を生み出し、働く場を増やして、若い方々の所得を増やす。そういう時代を切り開いていくために、公明党に力を貸してほしい。
「平和の党」として
“核のない世界”めざす
アジアに安保対話の枠組みを
ロシアのウクライナ侵略は断じて許されない。国際社会と力を合わせ、ロシアを厳しく非難し経済制裁を強め、この暴挙を早くやめさせなければならない。ロシアのプーチン大統領は核兵器を使うことも辞さないという脅しをかけている。
日本は唯一の被爆国として「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を国是として掲げている。これを国会で初めて訴えた政党は公明党だ。この三原則を含めた決議を提案し、国会で初めて成し遂げたのも公明党だ。「核共有」を求める意見が出てきたが、日本の非核三原則をゆるがせにすることがあれば、日本に対する国際社会の信頼を失いかねない。核の拡散を招けば、かえってリスクが高まってしまう。
非核三原則を国際条約に表したものが核兵器禁止条約だ。公明党は同条約への日本のオブザーバー参加を訴えてきた。核保有国も参加する核不拡散条約(NPT)もある。核保有国にも働き掛けて核軍縮を進め、非保有国との関係を縮め、「核兵器のない世界」をリードしていかなければならない。それが唯一の戦争被爆国である日本の責任だ。
そして、(わが国に対して)武力を使わせない備えを固める日本自身の努力も必要だ。日米同盟の信頼感を高めることが重要だ。
アジアは安全保障に関する対話の枠組みが不十分だ。米国や中国、ロシア、韓国、北朝鮮など日本周辺の国々で絶えず対話し、信頼を高める。こうした安全保障の対話の仕組みをつくり上げ、武力を使わせない世界をつくるべきだ。
日本はウクライナ避難民の受け入れを進めている。避難民の住まいや仕事、教育などの支援はネットワークのある公明党だからこそ進められる。各地で温かい手を差し伸べていきたい。
暮らし守るために
物価高への対策に全力
補正予算を編成し財源確保
現在の物価高はウクライナ危機が起きる前の状況によるものであり、今後はますます、その影響が及んでくる。公明党は物価高から国民生活を守り抜く決意で、3月17日に「国民生活総点検・緊急対策本部」を設置し、暮らしや仕事への影響を総点検し、それを踏まえ、2回にわたり政府に緊急提言を行った。その結果、公明党の提案は、ほぼ受け入れられ、政府・与党での総合緊急対策が決まった。
特に大きな影響を受けているガソリンなどの燃油価格を抑えるため、補助金の上限を1リットル当たり25円から35円へと引き上げ、全国平均価格の抑制目標を172円から、168円にした。補助金の期間は9月まで延長し、さらに対象を航空機燃料にも広げた。こういうことまで原油高騰の対策を進めたのが公明党である。
物価上昇で一番、しわ寄せを受けるのが家計だ。総合緊急対策では低所得の子育て世帯に子ども1人当たり5万円を給付する。さらに、学校給食費が上がる懸念もあるため、自治体が柔軟に使える地方創生臨時交付金を用意し、これを活用して保護者負担が増えないよう手を打った。公共交通を守るためにも、この臨時交付金を生かす。そうした目配りはネットワークの力を持つ公明党だからこそできる。地方議員と力を合わせて全力で頑張っていく。
これから先のことを考えると、参院選で国会が開けなくなる前に、ウクライナ情勢などが急変し、世界も日本も戦後最大の危機に陥るかもしれない。財源がないから緊急で対応できないということがないよう補正予算の編成を求める公明党の訴えが実り、今国会で用意する見通しが立った。国民の暮らしを本気になって守り抜くのが公明党だ。どうか力を与えてほしい。