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【主張】ワクチン3回目接種 感染再拡大の防止へ若者も加速を
新型コロナワクチンの3回目接種が、感染や重症化の防止に効果があることが分かった。
感染者情報を一元的に管理する国のシステム「HER—SYS(ハーシス)」のデータなどを厚生労働省が分析し、結果を13日に公表した。
それによると、年齢層にかかわらず接種を重ねるごとに新規陽性者の割合は大幅に減少し、3回目接種を終えた人は重症化率と致死率がともに低くなる傾向が確認された。ワクチン接種の効果を証明していると言えよう。
オミクロン株の一つで感染力が強い「BA.2」への置き換わりが進み、さらに強い感染力の変異株「XE」も国内で確認された。感染再拡大を防ぐには、ワクチンの3回目接種を推進する必要がある。
とりわけ重要なのが若い人に接種を促す取り組みだ。18日時点の3回目接種率を年代別に見ると、70代以上が8割を大きく上回っているのに対し、20代と30代は3割に満たない。
要因の一つに、若い人ほど軽症で済むケースが多いことが指摘されている。しかし、身近にいる高齢者や基礎疾患のある人にうつれば重症化のリスクは高い。
感染後の後遺症も問題になっている。東京都の調べでは、後遺症を訴えた人の4人に1人が20代だ。特にオミクロン株は、感染による症状は比較的軽くても後遺症は重くなる例が多いとされる。ワクチン接種による感染の予防が大切だ。
政府や自治体は、3回目接種の意義や重要性について今後も情報発信に努めるとともに、特に若者に対する呼び掛けに知恵を絞ってほしい。
19日には、国内で接種できる4種類目のワクチンとして、米ノババックス製のワクチンが薬事承認された。米国のファイザー製やモデルナ製とはタイプが異なり、後藤茂之厚労相は、両ワクチンにアレルギーがある人が接種することを念頭にしていると述べている。
新しいワクチンに関する情報についても、丁寧に発信してもらいたい。