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2022年4月20日

中小企業の事業再生へ、新ガイドライン適用開始

経営改善の環境整備めざす 
コロナ禍で膨らむ債務 
返済猶予・減免、柔軟に 
西田まこと参院会長に聞く

コロナ禍が長引く中、中小企業の債務が膨らみ、物価高騰などの影響もあり、返済が困難になるケースが増えている。こうした過剰債務問題に対処し事業再生を促すため、全国銀行協会(全銀協)が「中小企業の事業再生等に関するガイドライン(指針)」を3月に策定し、今月15日から適用が始まった。同ガイドラインの策定を推進した公明党の西田まこと参院会長(参院選予定候補=埼玉選挙区)に話を聞いた。

西田まこと参院会長

――中小企業の債務が問題になった背景は。

政府はこれまで、コロナ禍で苦しむ中小企業などに実質無利子・無担保の、いわゆる「ゼロゼロ融資」などの資金繰り支援を行い、昨年の倒産件数を半世紀ぶりの低水準に抑えることができた。

ただ、資金繰り支援とはいえ、融資が借金であることに変わりはなく、ゼロゼロ融資の返済は年末にかけて本格化する。しかし、コロナ禍や物価高騰の影響で経営が厳しく、返済原資の確保に困難を極める企業は多い。

実際、寄せられる相談でも昨年春ごろから過剰債務に関する内容が増えている。特に、飲食や旅行など対人サービス業は深刻だ。ある宿泊業の経営者からは「コロナ前の売り上げを取り戻しても債務の返済に約17年かかる。2年間の自粛期間を耐え忍んだ代償は大きく、もう瀕死の状態」と切実な声も聞いている。

野村総合研究所の試算(資本金5000万円以下の中小企業が対象)によると、対人サービス業の中には、債務返済に20年以上必要で返済が困難なケースもあるという。

――そうした中小企業の事業再生に向けては。

まず収益力改善などの支援が重要だが、債務超過に陥っている場合には、それが“足かせ”になってしまうので、債務を整理し、経営改善への環境を整えることが欠かせない。そこで大事になるのが適用が始まった「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」だ。

この中では、裁判所を介して債務返済をする「法的整理」によらず、企業や銀行を含めた関係者の話し合いで債務の返済猶予や減免などを柔軟に行える「私的整理」のルールを示している。私的整理は、法的整理と比べて時間がかからず、円滑に債務を解消できる。

2001年に策定された私的整理のガイドラインは、大企業向けに作られ、経営責任としてトップの退任を求めるなど中小企業が利用しにくかった。今の中小企業が抱える債務は経営者の失敗で生じたものというより、コロナ禍など外的要因が大きい。今回のガイドラインは、こうした背景を踏まえた内容になった。

公明、当事者から相談受け全銀協と連携、策定後押し

――公明党はどう動いたのか。

昨年の早い段階から、中小企業の過剰債務問題に何らかの対処が必要と認識し、全銀協と連携しながら、新しいガイドラインの策定を後押ししてきた。私自身、2月の参院予算委員会で、岸田文雄首相に対し、中小企業の実情に即したガイドラインにするよう主張。政府を挙げて活用に向けた支援に取り組むよう訴え、「公的支援とともに、金融機関への働き掛けや取り組みのフォローをしっかり行っていく」との答弁を引き出した。

中小企業の再生なくして日本経済の再生はない。引き続き、中小企業支援に全力で取り組む。

指針のポイント
経営者退任、必ずしも求めず

中小企業の事業再生などに関する指針(概要)

中小企業の事業再生等に関するガイドラインでは、従来の大企業向けの指針と比べ、私的整理を活用する企業が債務超過を解消するまでの期間を3年以内から5年以内に延長。経営者の責任についても、必ずしも退任を求めないようにした。

加えて、企業が再生計画を作ったり、銀行に債務軽減を求めたりする際は、弁護士や公認会計士、税理士ら専門家が仲介に入りサポートを行う。

外部の視点を取り入れて中立的な策を取りまとめることで、企業側も銀行側も双方納得して再建に取り組めるようにするのが狙いだ。

政府も、ガイドラインの活用を促す取り組みを今月15日から開始した。このガイドラインに基づいて私的整理を進める企業を対象に、専門家のサポートを受ける際に支払う費用の補助を実施する。

補助率は3分の2で、1案件につき最大700万円。

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