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児童虐待防止に全力
全国で情報共有 急げ
中小企業 事業承継さらに
参院予算委で山本、矢倉氏
質問する山本氏(右)と矢倉氏=5日 参院予算委
参院予算委員会は5日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して2019年度予算案の基本的質疑を行った。公明党の山本博司氏は、児童虐待防止や幼児教育・保育の無償化などに関して質問。矢倉克夫氏は、中小企業の事業承継支援などを訴えた。=質疑要旨はこちら
山本氏は、千葉県野田市で小学4年生の女児が虐待を受け亡くなった事件などを踏まえ、児童虐待防止対策に全力を挙げるよう力説。虐待に関する児童相談所(児相)や自治体の情報共有システムについて、全ての都道府県・市町村で19年度中に確実に構築するとともに、全国統一の運用ルールや基準も定めるよう訴えた。
大口善徳厚生労働副大臣(公明党)は「都道府県間の情報共有は大変重要な課題だ。より効率的に情報共有できるシステムの構築に努めたい」と答弁した。
虐待防止に関して山本氏は、「母親が父親からDV(配偶者などからの暴力)を受けている家庭は、子どもも虐待を受けているケースが多くある」と指摘。DV対策を担う婦人相談所などと児相の連携・協力を法律に明記するよう求めた。
10月から始まる幼児教育・保育の無償化に関し、山本氏は、「無償化により、入所希望者が増え、待機児童問題が深刻になるのではないかという懸念もある」と指摘。宮腰光寛少子化担当相は、「無償化は基本的に3~5歳を対象としているが、その9割以上が既に認可施設を利用できていることから、待機児童への影響は極めて限定的と考えている」と述べた。
一方、矢倉氏は、後継者不足で中小企業の廃業が増えている現状を指摘。今後10年で70歳以上になり、後継ぎも決まっていない経営者が全国の中小企業の3分の1に上るとの推計を踏まえ、「しっかり対応しなければいけない」と主張した。
世耕弘成経済産業相は、全国48カ所の「事業引継ぎ支援センター」でのマッチング支援の実績に触れ、19年度から「事業引継ぎ支援データベースを抜本拡充したい」と表明。掲載企業数や閲覧できる場所を増やす意向を示した。
矢倉氏は、埼玉県が首都中枢機能を支える「防災連携拠点」に位置付けられていることに言及。首都直下地震の発生に備え、対応を円滑に行う観点からも、同県内の渋滞緩和を進める重要性を強調した。
安倍首相は「いざというときに命、生活を守る道路になる」として、必要な整備を進めると述べた。