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参院予算委員会での公明党の質疑(要旨)
質問する山本氏(右側)=5日 参院第1委員会室
5日の参院予算委員会で、公明党の山本博司、矢倉克夫の両氏が行った質疑(要旨)は次の通り。
山本博司参院議員
児童虐待
DV対策との連携進めよ
児童養護施設 退所後の支援、検討すべき
山本博司氏 千葉県野田市の小学4年女児虐待死事件を受け、公明党は2月19日に緊急提言をまとめ、関係機関の情報共有システムを全ての都道府県・市町村で来年度中に構築するよう求めている。
大口善徳厚生労働副大臣(公明党) 2019年度予算案で、同一の都道府県内で児童相談所(児相)と市町村の情報共有が可能となるシステムの構築を計上した。都道府県間での情報共有も大変重要な課題だ。より効率的に情報共有を行うことができるシステム構築に努めたい。
山本 母親がDV(配偶者などからの暴力)を受けている家庭は、子どもも虐待を受けているケースが多くある。児相と配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所が連携協力することを法律上に明記すべき。
根本匠厚労相 今国会に提出予定の児童福祉法改正案に盛り込む準備を進めている。
山本 児童養護施設の施設長が、その施設で育った男性に殺害される事件が発生した。社会に出る前の支援のあり方、相談体制を検討していくべきだ。
厚労相 自立支援は急務だ。しっかり取り組む。
社会保障の充実
「幼保無償化、待機児童への影響は限定的」と少子化相
山本 全ての3~5歳児(就学前3年間)と住民税非課税世帯の0~2歳児を対象とする幼児教育の無償化により、入所希望者が増え、待機児童問題が深刻になるのではないかという懸念もある。
宮腰光寛少子化担当相 無償化は基本的に3~5歳児が対象だが、その9割以上が既に認可施設を利用できていることから、待機児童への影響は極めて限定的と考えている。認可外保育施設、幼稚園の預かり保育も無償化の対象としている部分も、待機児童解消に寄与するのではないか。
待機児童解消は待ったなしの課題であり、既に32万人分の保育の受け皿を20年度末までに確保すべく取り組みを始めている。保育士の処遇改善にも力を入れている。
山本 65歳以上の一定所得に満たない年金受給者などを対象に毎月最大5000円を支給する「年金生活者支援給付金」は大事な給付金だ。対象は約970万人だが、申請しないと給付されない。制度の理解を丁寧に進める必要がある。
大口厚労副大臣 申請書などは9月送付を予定している。氏名などを記載して返送するだけで申請が可能になる形を考えている。分かりやすい周知・広報に取り組んでいきたい。
山本 17年12月に閣議決定の「新しい経済政策パッケージ」で、介護人材などの処遇改善のために公費1000億円程度を投じることになっている。障がい福祉人材も同様の処遇改善が行われるのか。
厚労相 介護人材と同様の処遇改善を行う。
共生社会の実現
発達障がい、医療的ケア児に教育機会の充実を
障がい者運賃 カードで割引可能に
山本 発達障がい児支援について、特別支援学校と放課後等デイサービスなど教育と福祉の現場で連携し適切な支援を行うことで保護者の負担が軽減される。
浮島智子文部科学副大臣(公明党) 自治体における教育と福祉の連携が深まるよう取り組んでいく。
山本 歩行移動できる医療的ケア児は、従来の制度で対応が難しく、支援を充実させるべきだ。
大口厚労副大臣 現在実施中の研究の成果を踏まえ、歩ける医療的ケア児にもしっかり対応したい。
山本 医療的ケア児への就学支援の充実を。
柴山昌彦文科相 医療的ケア児の就学機会確保へ19年度予算案で看護師の学校への配置を拡充する。今後も支援充実に努めたい。
山本 80歳代の親が自分の50歳代の子どもの面倒を見る「8050問題」など「大人のひきこもり」への支援を拡充すべきだ。
安倍晋三首相 「8050問題」を含め、共生社会の実現に向けて全力で取り組む。
山本 2月の公明党の山口那津男代表の代表質問に対し、首相から障害者手帳のカード化をめざす方針が示された。
鉄道などを利用する際、毎回、障害者手帳を示さなくても割引を受けられる仕組みを可能にしてもらいたい。
石井啓一国土交通相(公明党) 手帳などの提示以外に本人確認も可能であることを明確化するため、国交省の告示などを見直す。
山本 昨年の通常国会で「障害者文化芸術活動推進法」が成立した。政府の取り組み状況は。
首相 障がい者による文化芸術活動に関する国の基本計画を今月中に策定する準備をしている。
軽減税率対応レジ
中小企業への補助、周知徹底せよ
山本 消費税率の引き上げと同時に軽減税率が実施される。複数税率に応じてレジや受発注システムを導入・改修する必要がある。中小企業の負担を軽くするため、政府は「対策補助金」を創設している。積極的に活用してもらいたいが、「まだ十分に取り組めていないのではないか」という指摘もある。周知徹底してほしい。
世耕弘成経済産業相 チラシ配布など、丁寧な周知を行っていく。
地方活性化
訪日外国人を誘客する流れ大きく
山本 地方活性化の観点から、外国人観光客の地方への流れを大きく確実にすべきだ。今年1月から、国際観光旅客税が創設された。地方においても多言語表記やトイレの洋式化などが必要だ。
石井国交相 幅広い国や地域からの訪日外国人を確実に増加させるとともに、地方への誘客を進めていくことが重要だ。国際観光旅客税の税収などを活用しつつ集中的に取り組んでいく。
矢倉克夫参院議員
外交
日米通商交渉で農林水産業守れ
矢倉克夫氏 米朝首脳会談の受け止めは。
河野太郎外相 安易な譲歩をしなかったトランプ大統領の決断を支持する。拉致、核、ミサイル問題の解決へ努力したい。
矢倉 日米通商交渉で、米国が対日要求を強めてくる可能性がある。自動車追加関税をにおわせ、農畜産物の市場開放を迫られても強く臨まなくてはならない。
首相 農林水産物(の関税引き下げ)について、先般、日米共同声明で、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限だという大前提で米国と同意した。わが国の基である農林水産業を守り抜く決意だ。
防災・減災
災害に備えた道路整備
首相「命守るインフラ推進」
矢倉 埼玉県は、国の計画である首都圏広域地方計画において、首都中枢機能のバックアップ、防災連携拠点として位置付けられている。(県内の道路網整備による)渋滞緩和は、今後予想されている首都直下地震への対応でも大変重要だ。必要な公共事業は未来に資産を残す。(国民の)安全を守る公共事業の推進を。
首相 ムダは削減しなければならないが、必要な公共事業は進めなければならない。近年、災害が激甚化する中において、(道路は)国民の命、生活を守るインフラとなる。中長期的な見通しの下、効率化を図り、計画的に推進していきたい。埼玉県内の道路網も、いざという時に、地域の皆さんの命、生活を守る道路になっていく。そういう必要なインフラ整備は進めていきたい。
中小企業
後継ぎ“不在”に対応必要
経産相「マッチング機会増やす」
矢倉 (中小・小規模事業者から)事業承継税制は高く評価されている。ただ、後継者が決まっている企業には恩恵があるが、全国の中小企業の約3分の1が、今後10年以内に経営者が70歳以上になり、しかも後継者が決まっていない状況になる。事業承継の問題に対応するには、後継者が決まっていない企業にも対応しなければいけない。
経産相 (経営者の)親族以外の第三者による承継支援が重要だ。経産省では全国48カ所ある「事業引継ぎ支援センター」で、マッチング支援を行っている。(これまでに)3万5000件の相談に応じ、2200件の事業承継を実現している。
今後は後継者不在の経営者に対し、親族以外の多様な人材や企業とのマッチング機会を増やすため、事業引継ぎ支援データベースを19年度から抜本拡充し、全国にマッチングの動きを広げていきたい。
こうした取り組みを通じて、待ったなしの課題である事業承継を全力で後押ししていく。
農福連携
障がい者の工賃上げる重要な施策
矢倉 農業の成長産業化に向けて、地域ごとのきめ細かな農政が重要だ。
首相 地域農業の潜在力を引き出す多様な施策で、農業者の新たな挑戦を促し、農業の成長産業化と所得向上を実現したい。
矢倉 障がいがある子や、その親と懇談すると、農業と福祉が連携する農福連携に期待が強い。
厚労相 農福連携は障がい者の働く場の拡大や工賃の向上につながる重要な取り組みだ。障がい者が持てる能力を発揮して、生き生きと暮らしてもらうため、農水省と連携して、しっかり取り組みたい。
アレルギー
くるみの表示対応を求める
矢倉 くるみアレルギーの人がいるが、くるみは食品の原材料として表示が義務化されていない。重篤な症状が現れる人もいるが、数が必ずしも多くないという理由からだが、しっかりと対応すべきだ。
宮腰消費者担当相 アレルギー表示は科学的データに基づき、必要性の高いものに表示義務を課している。くるみは、これに準じて、表示を“推奨”しており、事業者にできるだけ表示してもらえるよう事故事例などを紹介する。今後、推奨表示品目に関する実態調査を新たに実施することも検討したい。









