公明党トップ / ニュース / p236100

ニュース

2022年4月18日

卒業式「日本の学びや」で

2年続いた深夜のオンライン授業 
来日の夢 ついに実現 
コロナ禍のブラジル人留学生 アナイースさん

新型コロナの影響で来日できず、海外で待機していた留学生は3月1日時点で15万人超。一部の国費留学生に限られた入国枠が3月から広がり、この春、来日できた留学生は約3万人に上る。ブラジル人のアナイース・コルデイロさん(29)もその一人。卒業式の参加という彼女の夢を支えたのは、仲間と、公明党議員だった。

「日本の素晴らしい教育をブラジルで広めたい」と意気込むアナイースさん=3月31日 都内

「苦しい日々だったけど、この2年間の経験は私の宝物」。都内の私立大大学院を3月に修了したアナイースさんはそう言って、春色に染まったキャンパスで、その来し方を振り返った。

彼女が生まれたのは、ブラジル・アマゾン奥地のアクレ州。「貧しい家庭ながら、大学まで通わせてもらった」という。卒業後、日本で学ぶ夢が膨らみ、大学院進学と奨学金申請に必要な英語を猛勉強。遠く4000キロある会場に赴いて難関を突破し、修士課程の合格もつかんだ。

留学のため、仕事をやめ、車も売った。そんな矢先、新型コロナの感染拡大で状況が一変。渡航は制限され、大学院の講義もオンラインになった。地球の裏側にある日本との時差は、14時間。家族の闘病も支えながら「深夜に講義を受け、終わる頃に朝日を見る生活」を続け、最後の論文までやり遂げた。

「日本に行けると聞いても、信じられなくて」。アナイースさんの夢の実現へ道を切り開く力になったのは、彼女が友人に届けた一通の手紙。来日を夢見て共に学ぶ後輩を胸に、涙ながらに書き上げた。「みんなで日本に行くんだ、行くんだと言いながら、実現できずに悔しくて。その気持ちを何としても分かってほしい」と。

手紙で願い託された公明、外国人の入国拡大に尽力

そして、その“願い”は公明党に託されることに。アナイースさんと大学院が同期の森山星子さんが同窓の下野六太参院議員にSNSで相談。即座に下野氏は、外交官の経歴を持つ高橋光男参院議員と連携し、政府側に働き掛けた。

喜びと感謝を伝えるアナイースさん(右)とグータッチを交わし、喜びを分かち合う山口代表(左)、下野氏=3月29日 国会内

山口那津男代表も2月10日の党中央幹事会でアナイースさんの手紙を紹介し、感染対策に万全を期した上で私費留学生にも門戸を開くよう主張。同15日には岸田文雄首相に直接訴え、留学生の入国枠拡大につなげた。

「一人のために動いてくれた森山さんと、その声を聴き、留学生の道を開いてくれた公明党には、本当に感謝の思いでいっぱい」と瞳を輝かせて語るアナイースさん。母国で励まし合ってきた30人の後輩たちも、今月末に最後の一人が来日を果たせるという。

「帰国後は、どんな家庭環境の子でも学べる教育プロジェクトを展開したい」――。希望に向かって旅立つアナイースさんの笑顔を、母校の桜が優しく包んだ。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア