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コラム「北斗七星」
長引くコロナ禍で、生乳の大量廃棄が懸念される状況が続く。消費の約1割を占める学校給食がない期間に危機感は高まる。春休みは終えたものの、月末からは大型連休。酪農王国・北海道をはじめ関係者の不安は、まだ拭えそうにない◆2014年末、バター不足に陥ったことを契機に生乳の増産に向けた取り組みがスタート。子牛が産まれるまで約10カ月、育って搾乳できるまで3年ほど。この間、牛舎や加工場などの拡充も進めた。成果が表れ始めた矢先、コロナ禍に◆観光業や飲食店など業務用需要が低迷。それでも生き物が相手だけに、300日間程度続く搾乳期間で水道の蛇口をひねるように乳量を調整するのは難しい。バターなどの加工品も、在庫を無尽蔵には増やせない。当面は、官民挙げた消費拡大キャンペーンなどが“頼みの綱”◆一方、ウクライナ危機が道内の食産業に影を落とし始めた。水産加工原料の海外からの調達や日ロ協定に基づくサケ・マス漁など。物価高騰も相まって、先行きの不透明感は増している◆公明党は、国民生活総点検を活発に展開中。食料の安定供給を確保し、いかに暮らしや地域経済を守るか。“現場の声”に全力で応えたい。(武)