公明党トップ / ニュース / p231623

ニュース

2022年1月26日

重度障がい、切れ目なく支える

安心提供する通所事業所「まなびのへやバンビーナ」 
山形・南陽市

病気や障がいがあっても、自分らしい生活を――。山形県南陽市にある多機能型重症児者通所事業所「まなびのへやバンビーナ南陽」は、重度の身体障がいがあったり、医療的ケアが必要な子どもたちにとって安心できる空間だ。同施設は「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」に加え、18歳以上も通える「生活介護」の機能も備え、「切れ目のない支援」を提供する。子どもや保護者にとって“希望の光”となっている。

「まなびのへやバンビーナ南陽」で佐藤さん(右から2人目)と懇談する菊池県議(左端)

「18歳になると、子どもを預かってくれる場所がない……」。山形市内で、医療的ケア児や重症心身障がい児を預かる児童発達支援事業所を運営する合同会社ヴォーチェ代表の佐藤奈々子さんには、保護者から悲痛な思いが寄せられていた。

重い障がいのある子どもたちは、特別支援学校の高等部を卒業すると、預かってもらえる場所が極めて少なくなり、自宅で過ごすケースが大半だ。「お父さん、お母さんたちの終わりのない不安に応えたい」――。佐藤さんは、子どもから大人まで、切れ目なく支援する施設の設立を決意する。4年前のことだった。

子どもの発達支援と18歳以上の生活介護

当時、佐藤さんの施設には、県内の米沢、長井、南陽の3市と白鷹町などを含む置賜地方から、1時間以上かけて10人の医療的ケア児や、重度身体障がい児が通っていた。そこで南陽市に、18歳以上の生活介護もできる施設を作ることを考えた。

佐藤さんは、社会福祉法人であれば、市から建設用地の無償貸与を受けられることを知った。そこで行政や福祉関係者などから助言を得ながら、法人を設立し、理事長に就任。昨年4月に「まなびのへやバンビーナ南陽」を開設した。

同施設では、未就学児を対象に「児童発達支援」のサービスを提供(定員10人)。小学生から高校生を預かる「放課後等デイサービス」(同)も実施しているほか、18歳から30歳を対象に「生活介護」(定員15人)にも対応する。いずれも月曜日から金曜日の午前9時から午後4時まで受け入れている(延長は午後5時30分まで)。

公明県議が開設サポート

公明党の菊池文昭県議は2016年12月定例会の予算委員会で、医療的ケア児や家族の生活環境整備と、社会参加を促進するための県による支援強化を主張。また、県医師会や行政、教育、医療の関係者が連携する「山形県医療的ケア児支援会議」の設立を推進するとともに、佐藤さんが社会福祉法人を設立する際も相談に当たるなど、一貫してサポートしてきた。

菊池県議はこのほど、「バンビーナ南陽」を訪れ、子どもたちを見守りながら、職員と意見交換。佐藤さんは「菊池県議が私たちの思いを市や県につないでくれ、設立の追い風となりました」と謝意を述べたのに対し、菊池県議は「これからも医療的ケア児・者が安心できる社会づくりに尽くしたい」と応じた。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア