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不妊治療の保険適用拡大
経済負担減は「大きな救い」
長年、当事者に寄り添い続けてきた公明に感謝
NPO法人Fine 松本亜樹子理事長に聞く
公的医療保険が利かずに高額になるケースが多かった不妊治療の保険適用範囲が、公明党の推進で4月から拡大される。長年、不妊に悩む当事者を支援してきたNPO法人Fineの松本亜樹子理事長に、保険適用拡大に対する見解や公明党への評価を聞いた。
――今回、保険適用の対象に人工授精や体外受精などが加わることになった。
不妊治療で特に課題とされてきた経済的負担を軽減する大きな一手だ。例えば、体外受精は1回数十万円かかることもあり、しかも、1回で妊娠するとは限らない。このため、費用を工面できずに治療を諦める夫婦もいた。従来の治療費助成もありがたい制度だが、自分で治療費を支払った後に助成金が支給される仕組みのため、その工面が大変だという声も多かった。保険適用になれば窓口負担は原則3割で済むので、治療を希望する人にとっては大きな救いになる。
「特別ではない」と認識される契機に
――他に期待していることは。
不妊治療が、より“公”の存在となり、特別視されない社会になることを望んでいる。既に約5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を経験しているが、どうしても「不妊治療は限られた人が受けるもの」というイメージがある。今後は「保険適用されるくらい受ける人がいる」という風潮になり、治療と仕事を両立しやすい環境の整備などが進むことを願っている。
――公明党は四半世紀前から保険適用を訴え、助成制度の創設を推進するなど支援に取り組んできた。
当団体を発足させた2004年当初から、公明党の女性議員の皆さんには親身に相談に乗ってもらい、私たちも政治に大きな期待を持つことができた。
公明党は、まだ不妊治療が世の中にあまり知られていない頃から、子どもを望む当事者に寄り添い、小さな声を拾って政治の世界に届けてくれた。それから少しずつ世の中が変わり、保険適用の拡大にまでつながった。公明党が一生懸命、活動してきた結果だと心から感謝している。
成績の情報開示や心のケアの充実を
――今後、望む取り組みは。
一つは医療機関の治療成績の開示だ。保険適用で費用が一律に軽減されるのであれば、医療機関を選ぶポイントとして妊娠率や出産率といったデータは一層、重要になる。患者にとって分かりやすい情報開示を進めてほしい。
また、さまざまなストレスがかかる患者への心のケア充実も欠かせない。治療そのものが原因で、うつになったり、妊娠しても流産・死産に直面したりする場合もある。しかし、メンタルケアを備えた医療機関はまだ少ない印象だ。
公明党には引き続き、こうした課題の解決へ多大な力添えを頂きたい。