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ズバリ聞きます!
拡充されてきた不妊治療支援
答える人=党女性委員長(副代表、衆院議員) 古屋範子さん
不妊治療の多くは公的医療保険の適用外のため、高額な自己負担を強いられていますが、来月からいよいよ保険適用が始まります。長年、不妊治療の負担軽減に向けた支援策を推進してきた公明党の取り組みについて、党女性委員長の古屋範子副代表(衆院議員)に聞きました。
Q 保険適用へどう動いた?
A 25年前に国会質問で訴え、負担減へ助成制度も創設
アスカ 保険適用へ公明の取り組みはいつからですか。
古屋 約25年前になります。1997年5月の衆院決算委員会で、井上義久衆院議員(当時、新進党)が、国会で初めて不妊治療への保険適用に言及。高額な治療費に悩む当事者の声を紹介しつつ支援を訴えました。翌98年11月には、党の基本政策大綱に「保険適用の実現」を明記し、一貫して求めてきました。
アスカ 政府の反応は。
古屋 当時は消極的で、98年9月の公明質問には「成功率といった医学的な問題や社会的な合意などで踏み切れない」との答弁でした。
そこで、99年10月に自公連立政権に参加した公明党は、2000年4月、党女性委員会が保険適用を求める約55万人の署名を政府に提出するなど、働き掛けを強化します。
公的支援を求める公明議員の質問に、坂口力厚生労働相(当時、公明党)も前向きな答弁を行う中、03年5月には、与党として助成制度の創設で合意。04年4月に特定不妊治療費の助成が開始され、負担軽減の一歩が踏み出されました。
Q 具体化への取り組みは?
A 当事者の声を盛り込んだ提言重ねて早期実現促す
アスカ 具体化への取り組みは。
古屋 助成制度の創設後も、公明党は助成額の増額や所得制限の緩和などに引き続き取り組んできました。
20年6月には、保険適用に向けた検討開始を政府に提言。翌7月に決定された、政府の女性活躍に関する方針の中に、保険適用のあり方を含めた負担軽減策を検討する調査研究が盛り込まれました。
この流れの中で、9月に就任した菅義偉首相(当時)が「公明党から強い要請を受けている」として、不妊治療の保険適用を拡大する方針を表明し、具体化が進みました。
アスカ 今回の決定までにも、要望を行いましたね。
古屋 その通りです。党女性委員会と党不妊治療等支援推進プロジェクトチームは10、11月にかけ、当事者らの声を盛り込んだ提言を重ね、保険適用の早期実施と現行の助成拡充などを求めました。
こうした提言を反映し、この年の12月、政府は22年4月からの保険適用開始を決定。適用までの経過措置として、21年1月から助成の大幅拡充(1回30万円まで)も実施されるようになりました。
Q 今後の課題について
A 仕事と治療の両立難しく手厚いサポート事業必要
アスカ 保険適用により負担が軽くなりますね。
古屋 一定の要件はありますが、体外受精や顕微授精などに適用が広がります。患者の自己負担は原則3割で済み、1カ月の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度も使えるようになります。
後藤茂之厚労相は先月18日の衆院予算委員会で「これまで公明党が不妊治療に関する施策に非常に熱心に取り組んできたことに対して、敬意を表したい」と述べています。
アスカ 今後の課題は。
古屋 多くの当事者から聞いているのは、治療と仕事の両立の難しさです。治療への心理的な負担も大きいことから、手厚いケアが欠かせません。公明党の推進により、政府の22年度予算案では、不妊症などに悩む人への相談支援や、当事者に寄り添うピアサポーターの育成事業を実施。治療と仕事の両立へ職場の環境整備を促す事業も始めていきます。
今後も、保険適用された不妊治療の質をより高めていくことが大事です。当事者の声を丁寧に聴きながら、政府に対応を求めていく決意です。