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家計に恩恵 スマホ料金値下げ
負担軽減 1台月額2200円超
21年消費者物価指数 通信料が33%下落
かつては国際的にも高額だった日本の携帯電話料金。公明党の推進により価格競争が促され、2021年3月に大手各社が、スマートフォン(スマホ)の格安な新料金プランの提供を開始してから1年を迎える。国民の負担軽減につながった料金の値下げの現況と、尽力した公明党の取り組みを紹介する。
携帯大手4社は昨年3月以降、従来に比べて安価な新料金プランの提供を開始している。NTTドコモが「アハモ」、KDDIが「ポヴォ」、ソフトバンクが「ラインモ」、楽天モバイルが「ラクテン アンリミット シックス」といった代表的なプランを次々と導入。
いずれも、月2000円台でデータ容量20ギガバイトを使用できるプランで、例えばシェア1位の事業者であるNTTドコモのアハモは、月2973円と従来より6割超も値下げした。
自社で回線を持つ大手事業者(MNO)から、回線を借りて通信サービスを提供する事業者(MVNO)も、従来より割安なプランを相次いで導入し、各社の価格競争は一層活発化している。
これら格安のプランを知り、契約を移行した利用者は多い。総務省によると、新料金プランの契約数は、同11月末時点で約2930万に上り、一般利用者向けの携帯電話契約数の約2割を占める。同省の試算(同5月時点)では、新料金プランの利用者が増えたことで、年間4300億円もの家計の負担が軽減。これは単純平均で、1台当たり月2200円超の負担減につながった計算となる。
値下げの効果は物価にも表れている。今年1月に発表された21年平均の全国消費者物価指数では、新料金プランの普及を反映し、通信料が前年比33.3%下落。電気代などのエネルギー価格が上昇する中、全体で前年比0.2%の下落となった。携帯料金の値下げが指数を0.9ポイント押し下げたとされ、物価上昇から家計を守っている状況が明らかになった。
世界最安に! 主要6カ国(民間調査)
国内の携帯電話料金は近年、スマホの普及でデータ通信料が大幅に増加し、19年度には、東京の月額料金がロンドンの3倍以上の8175円(データ容量20ギガバイト)に上るなど高騰が続いていた。しかし、新料金プランの普及により、国際的に見ても遜色のない水準にまで低下している。
ICT総研の今年1月発表の調査結果からも、それは裏付けられる。日本の携帯料金の月額平均は、データ容量2ギガバイトで1477円、20ギガバイトで2445円となり、世界主要6カ国(日本、米国、英国、フランス、ドイツ、韓国)で、最も安かった(昨年12月時点、各国MNOの第5世代通信規格=5Gに対応するプランで比較)。
ICT総研は日本について、ネットワーク(第4世代通信規格=4G)接続率が99.4%と6カ国中トップで、料金は最安クラスであるとして「ユーザーにとってこの上ない利用環境である」と指摘する。
公明、番号持ち運びやSIMロック禁止など“携帯安く”を長年リード
公明党は2020年10月、国民が納得できる料金やサービスを実現するため、携帯各社の公正な競争を促す環境整備を求める緊急提言を政府に提出。これを反映した「アクション・プラン(行動計画)」を総務省が同月に発表したことで、携帯各社が割安な新料金プランを提供する呼び水となった。
公明党は20年以上前から一貫して携帯料金の引き下げを推進してきた。2000年に携帯料金の引き下げを求める1352万人の署名を政府に提出。15年には、通信量に応じた多様な料金プランの設定などを各社に促すよう政府に要請していた。
また、06年には携帯電話の番号ポータビリティー(持ち運び)制度の導入、21年10月にはSIMロックの原則禁止、同12月には携帯会社が提供するキャリアメールの他社への持ち運びなども実現。各社の競争促進や、利便性の向上に尽力してきた。
こうした長年の取り組みに対して20年11月、菅義偉首相(当時)は、「私が気付くはるか以前から、公明党がそうした署名活動を行っていることに心から敬意を表したい」と国会で答弁した。