公明党トップ / ニュース / p229957

ニュース

2022年2月28日

参院予算委員会での公明党の質疑(要旨)

西田まこと参院会長

25日の参院予算委員会基本的質疑で、公明党の西田まこと参院会長が行った質疑(要旨)を紹介する。

インフレ対処

質問する西田参院会長=25日 参院第1委員会室

賃上げへ環境整備進めよ

石油高騰の激変緩和、抜本拡充を

西田まこと氏 24日、わが党は官房長官に申し入れ、ガソリンや軽油に加え、特に寒冷地で重要な灯油、中小企業者も活用する重油を対象とした(価格高騰の)激変緩和事業について、国民生活や事業活動に及ぶ影響を抑えられるよう抜本的に拡充すべきと提案した。

岸田文雄首相 緩和措置による支援を深掘りするとともに、農業、水産業など業界業種ごとの支援、自治体への支援を重層的に講じたい。特にウクライナ情勢を受けて、中小企業向けの対策として、相談窓口の設置や資金繰り支援、価格転嫁の配慮要請を実施したい。

西田 現在の物価上昇の要因はさまざまあり、短期的・中長期的な要因が絡み合った「複合インフレ」の様相を呈している。物価上昇がエネルギーや食品光熱費など生活必需品を直撃し、とりわけ中間層以下の生活が大変苦しくなっている。

首相 物価高騰の中で賃上げにもしっかり取り組まねばならない。企業間の価格転嫁が適正に行われ、中小企業もしっかり賃上げが行える環境整備を行っていかなければならない。

西田 輸入価格が上がっている。それを価格に転嫁できなければ収益が圧迫されるので、賃上げ余力も出ない。企業が新たな価格体系に移行しつつも、これまでの生産性上昇に見合った賃上げをやっていくことが必要だ。そうなっているかを(大企業に求める)情報開示に盛り込むべきだ。

首相 賃上げや価格転嫁などの取り組みが評価されるように、非財政情報の開示ルールもしっかりと整備し、見える化を図ることは重要だ。

国産ワクチン・治療薬

国内外での治験の後押しさらに

西田 (新型コロナウイルスの)国産ワクチン・治療薬の実用化へ、公明党は8日に首相へ緊急要請を提出した。国産ワクチンの早急な開発が待ち望まれる。

首相 PMDA(医薬品医療機器総合機構)で、後発ワクチン向けの評価に関する新たなガイドラインを策定したほか、開発・生産に取り組む国内企業に対し、生産体制の整備や有効性を検証する臨床試験の実施費用に対する補助を行っている。国内での開発・生産の基盤整備を後押ししたい。

西田 国産ワクチン・治療薬の開発に当たり、国が買い取った後に新たな変異株が出てきたことで、使用が推奨されなくなる場合がある。当初の買い取り合意をしっかり維持しないと研究開発の意欲がそがれる。

後藤茂之厚生労働相 ワクチンの買い取り合意を維持し、安定的な対応をして進めたい。経口治療薬も、安全性・有効性が示された場合、その後の承認を条件とした購入契約を行い、必要量を確保している。

西田 政府は国内で実施する治験にのみ支援しているが、状況の変化に応じて海外での治験についても積極的に支援すべきだ。

厚労相 治験などの費用補助を行っており、補助対象には海外での治験経費も含めることが可能だ。

西田 国内で質の高い治験を行える環境づくりが必要だ。治験に協力する人は増えているが、保健所の入院調整に治験の実施はあまり考慮されていない。国民が治験に参加しやすい環境づくりとして、例えば、治験実施の施設に入所・入院させるといった協力を知事などに要請してはどうか。

厚労相 患者の受け入れ先を調整する場面で、治験を実施する病床などを確保している医療機関や宿泊療養施設への入院・入所に向けた対応をしてもらうことも含め、自治体にさらなる協力を要請するなど、取り組みを進めたい。

コロナ巡る悩みに寄り添う情報提供

西田 コロナ対応で困っている人が(ウェブ上で)難しい文章を読まなくても質問に答えていけば解決策にたどり着けるような、ワンストップの情報提供の仕組みの検討を。

山際大志郎経済再生相 ご指摘のように、利用者目線で使いやすいかを基準に作っていきたい。

中小企業の事業再生

「私的整理」指針 活用促せ

西田 事業復活支援金では、書類の不備を何度も指摘される“不備ループ”がどう改善されているか。

萩生田光一経済産業相 公明党から指摘を受け、追加の書類提出を求める際に書類や不備の内容を一層、明確にすることや、現金取引の場合などに事業実態を確認する提出書類例をあらかじめ示すことなど、申請者の負担にも配慮しながら改善を進めてきた。

西田 事業再構築補助金では、新たにグリーン成長枠が設けられた。公明党は、通常は1事業者につき支援回数は1回だが、グリーン成長枠は2回目も可能とするよう主張したが、その後どうなっているか。

経産相 公明党からの提案も踏まえ、グリーン成長枠に限って2回目の採択を可能とする予定だ。

西田 (中小企業の過剰債務問題に関して)法的な整理ではなく、金融機関と企業との話し合いによって債務の返済を猶予・減免するような私的整理ガイドラインについて、既存のものとは違う中小企業版を早期に策定すべきだ。

首相 これは非常に重要だ。全国銀行協会を中心に策定作業を進めている。

西田 中小企業版の私的整理ガイドラインを使ってもらうよう、政府を挙げて支援してもらいたい。

首相 指摘を踏まえ、活用を促すための公的支援とともに、金融機関への働き掛けや取り組みのフォローをしっかり行っていく。

災害時の情報共有

市町村庁舎の回線太く

西田 1月29日に埼玉県で、ローカル5G(第5世代移動通信システム)を活用した災害情報の伝送に関する実証実験を視察した。ドローンなどで道路の高精密映像といったデータを取得し、ローカル5Gにより現地から伝送するものだ。送信されたデータをテレビ会議システムでリアルタイムに確認できるので、極めて有意義だ。

斉藤鉄夫国土交通相(公明党) 実証実験では、5G通信により鮮明な現場映像が共有できることを確認した。デジタル技術を活用した市町村との、さらなるデータの共有に努める。

西田 市町村庁舎の回線速度が遅いと、せっかく5Gで送っても情報自体が伝わらない。災害対応にも時間を要してしまう。緊急防災減災事業債を庁舎内の回線を太くすることに使えるようにするなど財政的な支援をしてもらいたい。

金子恭之総務相 災害時でも情報共有を円滑に進められるよう、自治体のネットワーク環境のあり方について、関係省庁とも連携して検討していく。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア