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庶民が支持の軽減税率 罵声浴びせる立憲、国民
編集メモ
国会論戦は政府の統計不正問題が中心となっているが、今秋に迫った消費税率10%への引き上げ対策も、重要なテーマの一つである。中でも、低所得者対策として、飲食料品の消費税率を8%にとどめる軽減税率の円滑な実施に向けた準備は焦眉の急である。
そもそも軽減税率は、「せめて食べるものだけは税率を上げないでほしい」という庶民の切実な願いを受け止めたものだ。ところが、多くの庶民が望む軽減税率に対し、罵声を浴びせかけ強硬な反対論を叫んでいるのが立憲民主党や国民民主党に所属する旧民主党の議員だ。
「天下の愚策」。これは立憲民主党の枝野幸男代表の1月30日の代表質問での発言である。国民民主党の玉木雄一郎代表も同日の代表質問で「軽減税率は混乱しか生み出さない」と撤回を求めた。
これは2012年に旧民主党政権下で自民、公明、民主3党で消費税率引き上げと社会保障の一体改革に合意した、その精神を踏みにじる暴論にほかならない。
しかも両党の反対論を聞いていると、理由は、高価な飲食料品を購入できる高所得者ほど、恩恵を被り、低所得者対策にならないことを挙げる。果たしてそうか。例えば、「所得に占める飲食料品の割合」を見ると、低所得者の方が飲食料品への支出は多い。軽減税率によって実質的な負担減の効果が大きいのは明らか。つまり、「軽減税率は、低所得者こそ恩恵を受ける」(橘木俊詔・京都女子大学客員教授)のである。両党には“庶民の目線”が欠落しているのではないか。
公明党は、軽減税率の導入を求める約560万人もの署名を政府に届け、この制度を実現させた。各世論調査でも軽減税率に賛同する声は多い。
野党として政府・与党の進める政策が気に食わないのかもしれないが、多くの庶民が支持する政策を「天下の愚策」などと“上から目線”で切って捨てるようでは、いつまでたっても“弱小野党”からはい出るのは難しいだろう。(柄)