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経済再生へ確かな一歩
賃上げなど「人への投資」重点
22年度予算案、衆院通過
コロナ対策に予備費5兆円
医療確保、国産薬の開発強化
稲津氏が賛成討論
2022年度予算案は22日午後の衆院本会議で、自民、公明の与党両党と、国民民主党などの賛成多数で可決され、参院に送付された。憲法の規定により、予算案の年度内成立が確実となった。同予算案の一般会計総額は過去最大の107兆5964億円。長期化する新型コロナウイルス禍の対策に万全を期した上で、「成長と分配の好循環」に向けた政策に力点を置くことが盛り込まれ、公明党の主張が随所に反映された。
同予算案は新型コロナの感染拡大に備え、医療提供体制の確保や国産ワクチン・治療薬の研究開発を強化する費用のほか、5兆円の予備費を計上。成長戦略として「デジタル」と「グリーン」を柱に掲げ、分配戦略として介護、保育などの現場で働く人の給与を3%引き上げる。
採決に先立つ賛成討論で公明党の稲津久氏は、22年度予算案について「21年度補正予算と一体で編成する『16カ月予算』として、感染対策に万全を期し、国民の命と暮らしを守り抜くとともに、成長と分配の好循環を実現し、ポストコロナの新しい社会における経済再生への確かな一歩を踏み出す予算だ」と力説した。
コロナ対策に関して、21年度補正予算で既に3回目のワクチン接種や飲み薬確保などが進んでいると述べた上で、22年度予算案では予備費5兆円の確保をはじめ、雇用調整助成金などで雇用を下支えしている点を評価した。
経済再生では、科学技術振興費に過去最高の1兆3788億円が計上され、人工知能(AI)など研究開発の推進とともに、「公明党が求めてきた博士課程学生に対する経済的支援が盛り込まれている」と述べた。
デジタル化では、地方のデジタル基盤の整備やマイナンバーカード普及策を評価。公明党が訴えてきた「誰一人取り残さないデジタル化」を踏まえ、デジタル推進支援員の充実が盛り込まれていると語った。
分配戦略では、介護、保育などでの賃上げ、下請けGメン(取引調査員)の強化、デジタルなど成長分野を支える人材育成に言及し「『人への投資』に重点が置かれている点を大いに評価する」と力説。子育て支援に関しては「公明党の長年の主張が実り、来年度から『不妊治療の保険適用』が実現する」と強調した。
また稲津氏は防災・減災の関連予算3兆8736億円に触れ、「国民生活の安全・安心に関わる重要課題に取り組んでいる」と訴え、22年度予算案の早期成立と速やかな執行を求めた。