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【主張】コロナ水際対策 留学生らの影響深刻、緩和さらに
政府は17日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に備えて実施している水際対策について、3月から段階的に緩和する方針を発表した。
外国人の新規入国を原則停止してきた対応を改め、ビジネス目的や留学生、技能実習生らの新規入国が可能となる。また、1日当たりの入国者数の上限のめどを現在の3500人から5000人に引き上げる。公明党が政府に強く主張してきたものであり、評価したい。
外国人の新規入国を原則停止する措置は昨年11月に実施された。当時こそ、オミクロン株の国内流入を遅らせる効果があったものの、感染が広がった今では、移動を制限することの弊害が浮き彫りになっている。
例えば、留学を希望する学生への影響だ。
出入国在留管理庁によると、在留資格の事前認定を受けながら来日できない留学生は、1月4日時点で約15万2000人に上る。一日も早く不安を取り除くことが重要だ。
また、留学生の受け入れは、知日派を育成し、日本の国際社会における存在を示す意味で大きな基盤になるが、日本へ来られない期間をつくれば、待ちきれずに留学先を他国に変える可能性もある。
公明党は、3月に卒業を迎える留学生からの入国を求める切実な声を受け、今月15日の政府・与党連絡会議で山口那津男代表が岸田文雄首相に留学生らの受け入れを要請するなど、水際対策の緩和を訴え、今回の政府の決定を後押ししてきた。
ただ、諸外国では水際対策の撤廃や大幅な緩和が相次いでいる。また、来日できない留学生の人数を考えても、日本政府は一層の緩和を検討すべきではないか。
この点、公明党の石井啓一幹事長は18日の会見で、「新年度から日本での入学を希望する留学生に対応するには、さらなる緩和が必要だ」と力説。留学生の入国拡大に向けて「検疫体制を強化し、受け入れ大学にも宿泊施設の提供を求めるなど留学希望者が不利益を被らないよう配慮すべきだ」と訴えた。
政府には、もう一段の取り組みを求めたい。