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2022年2月22日

【主張】日本企業と人権 海外の取引先の強制労働防止を

製品の設計を国内の本社で行い、生産を海外の企業に委託していたり、製品の原材料を海外から調達していたりする場合、海外の取引先で重大な人権侵害が起きていることも少なくないという事実に、日本の企業は真剣に向き合う必要がある。

国際労働機関(ILO)などの推計によると、脅迫されるなどして、低賃金労働や劣悪な環境下での長時間労働を強いられ、奴隷のように働かされる「強制労働」の被害者は、世界に約2500万人いるという。そのうちの約2割が子どもだというから「児童労働」の実態も深刻だ。

2011年6月には、海外の取引先での強制労働などを防止する「人権デューデリジェンス」(人権DD)を行うことは、企業の責任であるとした「ビジネスと人権に関する指導原則」が国連人権理事会で、全会一致で支持された。日本は、同原則を国内で実施するための行動計画を20年10月に策定している。

人権DDとは、▽海外の取引先で人権侵害が発生していないか調査▽人権侵害の発生を予防するとともに、発生した場合には軽減措置を実施▽人権DDの取り組みの内容と、その成果に関する情報を開示――することだ。

日本政府は今月15日、企業に人権DDの実施を促すための指針を、今夏にも策定する方針を明らかにした。さらに、政府は4月以降、ILOに依頼し、日本企業と取引関係にあるアジア諸国の生産工場などに専門家を派遣してもらい、労働環境の改善などを進めるという。

既に、自主的に人権DDを行っている企業もある。例えば、タイで、養殖用の餌の価格を抑えるため、出稼ぎ労働者を強制労働させて作らせた餌を使用し、エビが養殖されている問題が表面化した際、同国から養殖エビを調達していた味の素は、現地調査に乗り出すとともに、現地の人権問題に取り組む非政府組織(NGO)とも連携して対策を進めている。

ただ、「人権DDといわれても、何をしていいか分からない」という企業は多い。企業が人権DDに関する具体的な取り組みを迅速に実施できるよう、政府が支援していくことが重要だ。

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