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歩いて生活できる街へ
高齢化進む都営団地の敷地内に複合商業施設を誘致
東京・八王子市
東京都八王子市長房町の都営長房団地を建て替え、集約して生まれた跡地の空間に昨年4月、複合商業施設「コピオ長房」(延べ床面積約2万5000平方メートル)が開設し、団地・地元住民から喜ばれている。跡地に医療、福祉機能など生活支援機能が備わった複合商業施設を誘致した取り組みは、都内初。尽力した公明党の東村邦浩都議がこのほど、市議と共に現地を訪れた。
都内初 医療、福祉機能も備える
都営団地の住民からコピオ長房の利用状況を聞く(左から)久保井博美市議、小林元市議、東村都議
コピオ長房はA、Bの2棟に分かれ、A棟は1階に食品スーパーやドラッグストア、2階には、パソコン教室やクリーニング店が入居。B棟はホームセンターが入り、A、B棟で日常生活に必要なものの大半を購入することができる。
加えて、A棟には医療・福祉機能として、病院や薬局、日常生活に支障がある高齢者らを支える「地域包括支援センター」も設置。施設の敷地内には、カフェスペースや、子どもたちの遊び場も併設されている。
公明議員が尽力
「団地周辺は廃れ、暗く寂しい場所でした」と、長年、長房団地に住む人は語る。3000戸を超える同団地は住民の高齢化が進み、周囲に商業施設が少ないことから買い物などの点で生活の不便を訴える人も多かった。
例えば、自動車が運転できない場合は、日用品を購入するために、バスで団地から離れたJR西八王子駅などに行く必要があり、高齢者にとっては負担が大きかった。駅から遠いこともあり、若年世代の入居も減少傾向だった。
東村都議はこの状況を打開するため、同団地の建て替えで立地面積が縮小されることで生まれる跡地の空間に着目。通常、都有地である団地跡地は、民間に貸し付けたり売却したりするが、この跡地に複合施設を誘致することで、団地住民の不便解消や周辺地域のにぎわい創出に役立つと考えた。
そこで東村都議は、都に跡地の利活用を提案。公明党の小林信夫市議(当時)と連携し、地元住民協議会、自治会などの合意を取り付けるとともに、八王子市都市計画マスタープランの改正も進め、10年以上かけて事業を前進させてきた。
1970年代から長房団地に住み、同団地の連合自治会の役員を務める畠山ウメさんは、「コピオ長房ができて、街が明るくなった」とほほ笑む。
東村都議と共に事業を推進した小林氏は、議員引退後も同地域のコミュニティーを守るため、コピオ長房内に事務所を構え、注文を受けて弁当を各戸に届ける事業を展開している。
東村都議は「徒歩圏内で生活ができるコンパクトシティーとしてモデル的な取り組みとなった。住民の声を聴きながら、街づくりを進める。また、好事例として他地域でも展開できるよう取り組んでいく」と話していた。