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イノシシに餌でワクチン
豚コレラ対策で3月から 公明推進
農林水産省は22日、岐阜県などの養豚場で発生している家畜伝染病「豚コレラ」のまん延を防ぐため、3月から野生のイノシシにワクチン入りの餌を投与すると発表した。野生イノシシがウイルスの媒介役となっている可能性が高いため。
野生イノシシへの投与例はドイツなど欧州であるが、日本では初めて。岐阜、愛知両県で、感染したイノシシが確認された地域に限定して餌をまく。21日までに、岐阜県で170頭、愛知県で10頭が発見された。
野生イノシシへのワクチン投与は、国際ルールに定める「豚コレラ清浄国」の扱いとは関わりなく、日本からの豚肉輸出にも影響しない。一方、養豚場の豚への投与について、吉川貴盛農水相は22日の閣議後記者会見で「極めて慎重に判断しなくてはならない」と否定的な考えを示した。
ワクチン入りの餌はドイツから輸入。散布はウイルスがなくなるまで数年間続ける予定だ。
公明党は今月8日、鳥インフルエンザ等対策本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)と農水部会(部会長=稲津久衆院議員)が農水省で、吉川農水相に対し、野生イノシシへのワクチン投与の検討など豚コレラ感染拡大防止に向けた緊急対策を要請していた。