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2022年2月15日

【主張】電気自動車の普及 温暖化の防止に資する電池に

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量削減のため、走行中にCO2を排出しない電気自動車(EV)の普及に向けた動きが加速している。トヨタ自動車が昨年12月、2030年までにEVの新車販売台数を350万台にするという計画を発表するなど、日本でも自動車大手各社が、EVの開発を促進する姿勢を見せている。

一般社団法人・日本自動車販売協会連合会によると、昨年1年間で、日本におけるEVの新車(乗用車)販売台数は合計で2万1139台。新車販売台数全体のEVの割合は、わずか1%ほどだ。政府は30年までに、新車販売台数全体の20~30%をEVなどの「ゼロエミッションカー」(CO2を排出しない車)にする方針を示している。

ただ、EV用電池に蓄えられる電力が、火力発電など化石燃料由来の電力であれば、その生成時にCO2が排出されることになる。

また、EV用電池の生産時にも大量のCO2が排出されているとの指摘がある。さらに、EV用電池がリサイクルされずに廃棄される場合、特殊な技術を用いて焼却処分などを行うことになるが、この際にもCO2が排出される。

EVが増えるとCO2の排出量も増加するという皮肉な結果を招いてはならない。

特に、EV用電池を巡る問題を解決するため、例えば、欧州連合(EU)は、24年から、生産時のCO2の排出量を明示していないEV用電池の販売を禁止する新たなルールを導入することに加え、30年から、EV用電池のリサイクル率の表示も義務付けるという。こうした動きに日本は対応していく必要がある。

この点、経済産業省が先月21日、EV用電池に関するCO2の排出量を把握するための仕組み作りを進める研究会を設置したことは重要だ。

また、日本では、EV用電池の主力はリチウムイオン電池だが、そのリサイクル率は約50%にとどまる。この現状を変えるため、パナソニックや豊田通商、トヨタ自動車などが共同出資して新会社を発足、低炭素でリサイクルしやすいEV用電池の開発をめざすという。地球温暖化の防止に資するEV製造を促してほしい。

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