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2022年2月6日

猛威振るうオミクロン株

新規感染 かつてない規模で 
社会機能維持に重い負荷 
抑制へ2月が正念場 
特性踏まえ戦略見直し不可欠

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が猛威を振るい、各地で感染者や濃厚接触者が急増し、社会機能の維持に深刻な影響を及ぼしています。感染拡大の動向を紹介するとともに、求められる対応などについて、日本感染症学会監事の舘田一博氏に見解を聞きました。

“第6波”では、これまでにない規模の感染の急拡大が進んでいます。

全国の新規感染者数は1月20日~2月3日の2週間で約100万人増加。1日当たりの感染者数の報告は10万人(3日、5日)を超え、過去最多が続いています。感染者や濃厚接触者の増加により、社会機能維持へ負荷も重くなっています。

重症者数は4日時点で1099人と、昨夏の“第5波”のピーク時(2223人)には満たないものの、感染者の急増に比例して増加。病床使用率も全国で48.7%(1日)と上昇傾向にあり、医療提供体制への影響も深刻です。

従来に比べ子どもへの感染も広がっています。1月に発生した全国のクラスター(感染者集団)のうち学校や保育所などでの発生は1033件(28日まで)と全体の47%に。また、1月26日時点で全国の公立小中高校などの16%に当たる5841校が学校または学年・学級の閉鎖をしています。

沖縄などでは感染者減少の傾向が見られるものの、「全国で増加速度は鈍化しつつも感染拡大が継続する」(厚生労働省の専門家組織)と分析されています。

広島、山口、沖縄の3県で1月9日から適用された「まん延防止等重点措置」は現在、35都道府県まで拡大しています。

公明、追加接種の加速へ総力

公明党は、感染収束の“切り札”とされる3回目のコロナワクチン接種について、無料化をいち早く訴え、実現しました。その上で、自治体の接種体制の構築や自衛隊による「大規模接種会場」の開設・拡充などを推進し、接種の加速に総力を挙げています。

社会機能の維持に向けては、オミクロン株の潜伏期間が従来株より短いとの知見を踏まえた公明党の提言により、濃厚接触者の待機期間が段階的に短縮され、7日間(医療従事者などは最短5日)になりました。

軽症・中等症患者に処方されている飲み薬の確保や国産ワクチン・治療薬の開発支援も公明党の訴えにより実現しました。

日本感染症学会監事、政府分科会メンバー 舘田一博氏に聞く

子どもへの拡大顕著

――オミクロン株の特性をどう見ますか。

舘田一博監事 オミクロン株は、デルタ株に比べて感染・伝播性が非常に高い上に、ワクチンの効果を弱める特性もあり、全国的な急拡大を招いています。

病原性は、重症化しにくい傾向が分かっています。特に40、50代以下で基礎疾患のない人や合併症のない人は、無症状や軽症が多くを占めます。しかし、高齢者や免疫不全状態の人、中でもワクチンの未接種者は一定の頻度で重症化するため、油断はできません。感染者数が増大すれば、重症化に陥る人も増えざるを得ません。

従来とは違い、子どもたちの間での感染拡大が顕著であることも大きな特徴です。

――感染状況の見通しは。

舘田 厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」は、2月中頃までにピークを迎えるとの見解を示しましたが、急に下がっていくほど事態は簡単ではありません。

国内で先行して感染が急増した沖縄県の例を見ると、1月中旬に新規感染者数がピークを迎え、その後、減少に転じました。しかし、減少スピードは鈍いままです。子どもに広がったウイルスが継続的に大人に感染し続けているのが要因でしょう。

最近、オミクロン株のうち流行中の型とは別の型「BA.2」も国内に流入し、ピークが2段階になる恐れも出てきました。これらの要素を踏まえると、長期戦が予想され、この2月こそ感染抑止の正念場になると考えられます。

社会を動かす考え方

――社会活動に支障が出始めています。

舘田 オミクロン株の特性を踏まえた戦略の見直しが欠かせません。感染者に加え、その何倍にも当たる濃厚接触者が増え、社会インフラが回らない状況になりつつあります。感染を完全に防ぐのではなく、ある程度許容し、社会を動かす考え方が大切です。

例えば、これまでは同居する子どもが陽性の場合、濃厚接触者になった親は最大17日間も自宅待機を求められていました。厚労省が2日、同居家族に求める待機期間を7日間に短縮する方針を発表したのは妥当だと評価できます。

限られた医療資源の中で優先順位を付け、重症化リスクの低い人が検査や医療機関の受診をせずに自宅療養する仕組みづくりも重要です。神奈川県では、重症化リスクの低い人が抗原検査キットなどで陽性を確認すれば、希望により医療機関の診断を待たず療養に入れる「自主療養」を始めました。一つの工夫です。

一人一人の行動大事

――求められる対応は。

舘田 ワクチンの3回目接種が何より鍵を握ります。職域接種などで、加速させる必要があります。

メルク社製のモルヌピラビルに加えて、新たにファイザー社製のパクスロビドの飲み薬が近く承認される見込みです。国産の塩野義製薬の薬も実用化が視野に入りました。これで見える景色はかなり変わるはずです。

その上で、基本となるのは一人一人の感染症予防です。効果的な不織布マスクを付けることが大事なのは変わりません。食事や飲酒の席、子どもがマスクを外して遊ぶ場所などを中心に、メリハリのある感染対策が求められます。

たてだ・かずひろ 

長崎大学医学部卒。日本感染症学会前理事長。東邦大学教授。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバー。

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