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犯罪被害者支援 さらに
全市町村で条例制定めざす
専門家や遺族を招き研修会
党群馬県本部女性局
公明党群馬県本部女性局(局長=小野聡子・高崎市議)は1月30日、高崎市内の県本部と各所をオンラインでつなぎ、犯罪被害者支援の充実に向けたウイメンズトークを開催した。会合では、県の犯罪被害者等支援条例(昨年4月施行)に続き、全市町村での条例制定をめざすことを確認した。古屋範子党女性委員長(副代表)、福重隆浩県代表(衆院議員)が参加し、専門家や被害者遺族の話を聞いた。
研修会では、公益社団法人「被害者支援センターすてっぷぐんま」の高橋添事務局長が、被害者支援における市町村の役割などについて講演。犯罪被害者や家族は、直接的な被害だけでなく、その後の心身の不調や経済的な問題、周囲の心ない言動などの“二次被害”にも苦しんでいると説明した。
高橋事務局長は犯罪被害者を支援する条例の制定状況について、都道府県に比べて市町村で進んでいないことを指摘。「市民が頼る最も身近な組織である市町村が条例を制定することが重要だ」と強調した。
一方、研修会には、数年前に子どもを殺害された被害者遺族のAさんが参加。「現実を受け止めなくてはならないことは分かっているが、日増しに悲しみが募ります」と現在の心境を訴えた。子どもに最後に会ったのが事件の3日前だったと振り返ったAさんは、「子どもを守れなかったことに今も自分を責め続けています。どこに気持ちをぶつければいいのか分かりません」と涙ながらに語り、犯罪被害がなくなることへの願いを表明した。
福重県代表は「議員が被害者の痛みを知り、犯罪を起こさせない社会をつくる必要がある。県本部一体となって、全市町村での条例制定を進めていきたい」と決意を述べた。
古屋氏は、つらい体験を語ってくれたAさんに感謝の意を示しつつ「国会議員と地方議員が連携して、支援策の充実に全力を挙げたい」と語った。
県は昨年施行
他県居住者も切れ目なく
相談員を臨床心理士がケア
群馬県犯罪被害者等支援条例は、被害者支援の基本理念を定め、県の責務や、県民、事業者、市町村などの役割を明示する。
被害者が高校生以下の場合、学校や児童相談所などと連携し、子どもの状況に応じた支援を行うことを記している。また、観光などで他県から訪れた人が群馬県内で犯罪被害に遭った際に、被害者や家族が居住する地域の支援センターと協力して切れ目のない支援を実施すると明記する。支援に従事するスタッフの心理的ケアの必要性も強調し、県はスーパーバイザー(臨床心理士)が指導助言に当たる。
県内の市町村では大泉町が制定済。2022年度から前橋、安中の両市で制定される。