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2019年2月21日

【主張】 脊髄損傷にiPS移植 待望の治療法実現へ重要な一歩

これまで治療法がないとされてきた脊髄損傷の患者にとって、大きな希望となったのではないか。

人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究計画が、厚生労働省の専門部会で了承された。

背骨を通る神経「脊髄」が事故などで傷つくと、脳からの指令が伝わらず手足が動かなくなったり感覚が失われたりする。患者は国内で10万人に上るとみられ、毎年新たに5000人ほどが脊髄損傷になっている。

しかし、根本的な治療法は確立していない。このため患者が受けられることは、残った身体機能を生かすためのリハビリテーションが中心にならざるを得ない。

こうした現状に慶応大学の研究チームが挑んでいる。健康な人のiPS細胞から神経の細胞を作り、脊髄損傷患者に移植して機能回復をめざす臨床研究計画を、昨年12月に厚労省に申請していた。今回了承されたことで今秋にも移植を行う方針だ。

脊髄損傷の治療にiPS細胞を使うのは世界初の試みとされる。患者が待ち望む治療法の実現に向けた重要な一歩である。研究が実を結ぶよう願うばかりだ。

移植した細胞の腫瘍化をはじめ克服すべき課題もある。この点、慶応大学の研究チームが「臨床研究の一番の目的は、まずは安全性を確認すること」と明言したのは当然と言えよう。

公明党は、iPS細胞の研究を後押ししてきた。

京都大学の山中伸弥教授が人の皮膚細胞からiPS細胞を作ることに世界で初めて成功したのは2007年。これにより同教授は、12年にノーベル医学・生理学賞を受賞している。この研究を公明党は、政府の科学技術予算を拡充することで支えてきた。

公明党が推進した公的さい帯血バンクの設立も大きい。胎盤などに含まれるさい帯血からは、iPS細胞を効率よく作れるからだ。造血幹細胞移植推進法や再生医療推進法の制定も主導し、研究環境の基盤強化に努めている。

iPS細胞の活用はパーキンソン病や心不全、肝不全、目の難病などにも広がっている。研究の一層の進展を期待したい。

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