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コラム「北斗七星」
国土交通省は先日、2020年度の公共交通機関におけるバリアフリー化の進ちょく状況を公表した。その中で、注目されているのが、今回初めて示された「車椅子使用者が単独乗降しやすいホームと車両の段差・隙間の縮小に向けた整備状況」だ◆「段差・隙間の縮小が可能な駅」は全国で1412駅。このうち車椅子で単独乗降しやすい目安値「段差3センチ、隙間7センチ」以内に縮小している駅は658カ所だった。対応駅数は少ないが、DPI(障害者インターナショナル)日本会議の佐藤聡事務局長は「整備状況の公表自体が事業者の取り組みを促すもので、大きな一歩」と語る◆普段、車椅子使用者は駅員にスロープをかけてもらって乗降している。手間も時間もかかるのが現状だ。一方で、構造上の問題で段差・隙間を縮小できないホームが約8千駅ある。電車の車高に合わせてホームの高さを変動させる「自動スロープ」の開発も進む。新技術が導入されれば、車椅子で自由に電車を乗降できる社会となるだろう◆こうした動きは、公明党が主導した18年のバリアフリー法改正が発火点となっている。同改正でバリアフリー施策の検討会に高齢者や障がい者などの当事者が参画し評価する仕組みを作ったのだ◆小さな声を聴いて改革を進める。公明党が日本を変えている。(鷲)