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2022年1月26日

【主張】福島の住民帰還 円滑な避難指示解除へ万全期せ

帰還を願う住民にとって大きな一歩である。

東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定され、全住民の避難が唯一、続く福島県双葉町で20日、帰還に向けて自宅などに寝泊まりする「準備宿泊」が始まった。

準備宿泊が可能なのは、6月以降の避難指示解除をめざすJR双葉駅周辺の特定復興再生拠点区域(復興拠点)など町面積の約15%に当たる。

復興拠点は原発事故に伴う帰還困難区域の一部で、再び人が住めるように先行して整備されている。富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の6町村に設けられ、このうち準備宿泊については双葉町のほか、今春の避難指示解除をめざす大熊町と葛尾村では昨年から実施されている。残る3町村では、まだ実施されていないが、2023年春の避難指示解除をめざしている。

国と自治体は、準備宿泊で見えてくる生活上の課題を整理して対策を進めるなど、円滑な避難指示解除に向けた準備に万全を期してほしい。防犯など住民が安心して暮らせる環境整備に、現場目線で知恵を絞ることが重要だ。

改めて胸が痛むのは、帰還困難区域への住民帰還が本格化するまで実に11年もの歳月を要していることだ。原発事故の爪痕はあまりに深い。

それは避難住民の帰還に対する考え方にも表れている。

昨年夏、双葉町民に行った帰還への意向調査では、「戻りたいと考えている」との回答が11.3%なのに対し、「戻らないと決めている」が60.5%を占めた。4人に1人は「まだ判断がつかない」という。浪江町と葛尾村の意向調査でも「戻りたいと考えている」のは1割強だった。

既に避難先で生活基盤を確立していたり、放射線に対する不安が拭えないなど、理由はさまざまであろう。

こうした中で、帰還困難区域に新たなコミュニティーをつくるのは容易ではない。医療や教育施設の整備、雇用の受け皿づくりなどを進めることにより、帰還を諦めていたり、決断できない人も含め、希望する避難住民が故郷に戻れるようにする必要がある。

その意味でも、まず復興拠点での避難指示解除を着実に進めることが、福島復興への確かな足掛かりになる。

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