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2022年1月12日

コラム「北斗七星」

〈いかなる国家も他の国との戦争において、将来の和平において相互の信頼を不可能にするような敵対行為をしてはならない〉。哲学者カントは1795年の論考『永遠平和のために』(中山元訳)の中で言明する◆その最たるものとして〈相手の国を絶滅させる戦争〉を挙げ、〈絶滅戦争にいたるような手段の利用も絶対に許してはならない〉と訴えた。カントの時代にはまだ理論上の可能性に過ぎなかった絶滅戦争――それが実際に起こり得る現実の世界に私たちは生きている◆「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」。核兵器を保有する米英仏中ロの5カ国は3日、核戦争の回避を宣言する共同声明を発表した。核不拡散条約(NPT)が課す核軍縮交渉義務を順守し、核兵器のない世界に向けて「全ての国家と協力する」と強調している◆声明には核軍縮が進まない現状に対する国際社会の批判をかわす狙いがあるとみられるが、5カ国が一致して、NPTの枠組みの中で軍縮に努力することを確認した意義はある。実効性のある具体的な行動に結びつくかどうか注視していきたい◆7年戦争からナポレオン戦争への時代を生きたカント。戦争の後に平和がやって来るのを不可能にするような何ものも起こってはならない、との理念は時を超えて現代に響く。(中)

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