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【主張】孤独・孤立対策 政府が初の重点計画、着実な実施を
長引くコロナ禍の影響で、孤独・孤立の問題が一層深刻化している。当事者や家族らが必要な支援を受けられるよう社会全体で取り組みを進めたい。
政府は先月28日、電話やSNS(会員制交流サイト)による24時間対応の相談体制の整備や、地域との「つながり」の場づくりなどを盛り込んだ「孤独・孤立対策の重点計画」を決定した。
孤立・孤独問題について国が初めて重点計画を策定し、対策強化に乗り出したことは評価できる。生活困窮、自殺、DV(配偶者などからの暴力)、不登校など課題は多岐にわたるだけに、政府一体となって施策を遂行すべきである。
重点計画では、孤独や孤立を「人生のあらゆる場面で誰にでも起こり得る」として、社会全体で対応すべき問題であると指摘、「当事者の目線や立場に立った施策の推進」を強調している。
具体的な取り組みとしては、相談体制の強化や居場所づくり、アウトリーチ(訪問)型支援などを挙げている。孤独や孤立に陥っている人が声を上げやすい環境や、人とのつながりを実感できる場を確保することは重要だ。
支援の担い手となるNPO(民間非営利団体)への後押しも欠かせない。重点計画ではNPOを「重要かつ必要不可欠」として、「安定的・継続的にきめ細かな支援を行う」とも明記した。
このほか、計画の実施状況を年度ごとに評価・検討し、必要に応じて計画の見直しを検討するとしている。
孤独・孤立問題について公明党は、昨年2月に対策本部を立ち上げ、同3月から4月にかけて、NPOなどの団体や個人への1039件のヒアリング調査を実施。その声を政府への提言にまとめて5月に提出し、国を挙げた継続的な支援を強く要望した。
今回の重点計画の策定は、この提言を踏まえたものであり、当事者目線の支援など具体策にも公明党の主張が反映されていることを強調しておきたい。
政府は現在、孤独・孤立の実態調査を行っている。その結果も踏まえながら、公明党は対策の着実な実施と一層の強化に全力を挙げる方針だ。